一風堂安城店(愛知県安城市)オープン5日目実食記。セントラルキッチンのスープ作りのこだわりとブラッシュアップされた赤丸新味を食す。平日Bランチで博多チャーハン小も追加。

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一風堂安城店(愛知県安城市)赤丸チャーハン実食記

目次

久々の一風堂路面店

2012年以来、商業施設へのテナント出店が多く、単独出店の一風堂実食体験は刈谷店以来か。実食しても特に記事にすることもなく、過去記事を確認すると実食記事は1件のみという寂しさ。
セントラルキッチンで製造された食材をサテライトで盛り付けるだけというチェーン店のラーメン記事を記録するのはなかなか難しいのがその理由。
特に、最初の一風堂実食店の出来栄えがかなり・・・という食体験があったことも。

 当店は2月14日に開店して5日目。そろそろ新規雇用者達も慣れてくる頃と予測しながら、平日11時45分到着。

以前は麺家神明安城店。

2018/03/10麺屋神明安城店新家系
2022/06/18麺家神明安城店昆布水つけ麺

一風堂について

まずは一風堂の沿革について興味のある部分のみ列記すると、

・1985年福岡市にて博多 一風堂創業
・2000年日清食品と共同開発のコラボカップ麺発売
・2008年海外進出(ニューヨーク)
・2012年フードコート出店ブランドIPPUDO RAMEN EXPRESS

店舗数(2025年1月調査)
・15か国274店(2023年12月時点)
・日本国内138店
売上高 318億円(2024年3月期)

 国内店舗数は138店で、魁力屋や町田商店と同程度。餃子の王将の王将フードサービス730店926億円(FC店込だと1010億円)やリンガーハットの568店461億円と比較すると、圧倒的に少ないものの、一風堂を主力ブランドとして展開する力の源ホールディングスは318億円で、早くから海外進出をしてきたこともあり、国内店舗とほぼ同数の海外出店数となっている。
私が知ったのは横浜の新横浜ラーメン博物館(1994年開業)で、さらに認知度が増したのはカップ麺を日清食品とコラボしてセブンイレブンで発売した2000年以来。
すっかり定着してセブン&iでも上位PBブランドである「セブンプレミアムゴールド」として販売されている。
これはセブンイレブンが得意とする「チームマーチャンダイジング」の成果。
製造メーカーや流通ベンダーとチームを組んで商品開発をするのが“チームMD”で、その最初の方の取り組みに位置する。
「すみれ」の村中氏が新横浜で懇意になった一風堂に声をかけ、2店のコラボ商品を発売したことは、いずれの店主の先見の明に感嘆。
一風堂にはそういったラッキーな面もあるが、やはり、先駆けての海外進出の判断は素晴らしいと思う。

セントラルキッチンでのスープ作り

 当社が自称し、さらに世間で言われるところの一風堂の特徴としては「口あたりがなめらかで、豚骨の旨味や香りが高くまろやかで臭みがない」ということ。
当方、豚骨ラーメンの嗜好としては「獣臭を少しだけ感じる」久留米タイプ。
よって、一風堂の白丸は「豚骨ラーメンを食べました感」が乏しいのが残念なところ。
そうは言っても、女性客や海外客を取り込むには「さわやかな内装と臭みのない豚骨スープ」の組み合わせが必要と判断したのだから詮方ない。 

 多店舗展開には全店での味の安定化のためセントラルキッチン(集中製造工場)が必須。
そして、提供商品のブラッシュアップも運営改善同様に絶対に必要。
チェーン店は進化を止めたら衰退どころか、消滅することになる。
いくら良い商品を開発しても、それを効率的に標準化(誰でも同じ出来栄え)された工程管理で、さらに平準化(デコボコ無し)して提供できなければ安定的な収入を確保し続けることはできない。
商品力と運営力の両輪を揃って稼働させることがチェーン拡大にとって肝要。

 そうは言っても、やはり基本のスープを自店炊き上げに劣らないレベルに引き上げる努力は重要。
まずは、当社のセントラルキッチンでのスープ作りのおさらいから。
1. 特別仕様(一風堂仕様)の豚のゲンコツ(膝関節)と頭骨の2種を煮立てることから始める
2. 灰汁を丁寧にとる
3. 最初のスープを廃棄し、骨だけ残った釜に再度、お湯を投入し煮込む。そして混ぜて豚骨スープを乳化させる。これにより、雑味がとれた香りと甘味の「1番スープ」を製造することができる。
4.「1番スープ」をとった後の柔らかくなった豚骨を骨粉が出すぎない程度に砕いて、もう一度お湯を投入し煮込む。これが髄由来の旨味とコクと濃厚さの「2番スープ」。
5. 「2番スープ」に「1番スープ」を投入し、一風堂のスープが完成する。
6. 1晩寝かせたスープを翌朝に再度、加熱調理。計26時間で作業完了。
7. サテライト(出先店舗のこと)へは冷凍状態で輸送する。
8. サテライトで適時加熱解凍し、客へ提供。

 で、私が博多ラーメンを好きな理由はスープもそうだが、多加水の細麺にある。
一風堂の白丸元味は「一風堂丸刃麺線 26番」で、赤丸新味は「一風堂角刃麺線 22番」とされる。(現在はどうなのか不明だけど)
粉感もあり、チェーン店の麺としては上々の部類。

注文したのは

 
 さて、実食注文。
基本は「白丸元味」「赤丸新味」「からか麺」からの選択となる。

サラリーマン時代の昼食に“にんにく”はご法度だったが、今は定年フリーランスの身。お昼からニンニク三昧でも文句は出ない。

 と、いうことで、今回、選択したのは「赤丸新味980円」に平日ランチセットとして博多チャーハン小を250円を追加。


赤丸新味は「バリ盛赤丸1620円」「極赤丸新味1420円」「玉子赤丸1120円」「赤丸新味980円」「赤丸シンプル890円」から選択する。
現金券売機ならば、後客に配慮して迷うことなく、最上段左端の「店舗にとって一番注文してほしいメニュー」ボタンを押してしまうが、席に座ってタブレット注文なのでじっくりと選択できるのが嬉しい。前期高齢者ながら、サラリーマン時代の経験を活かして、こういったIT機器操作は得意分野。

 最低価格の「赤丸シンプル」と「赤丸レギュラー」の価格差は100円で、差異は厚切りバラチャーシュー(レギュラー)かロースチャーシュー(シンプル)の違い。それとキクラゲ。キクラゲがあるかないかの差はルックス的に意外と大きい。
そして、「赤丸レギュラー」と「玉子赤丸」の価格差は140円。玉子1個が140円かあ。昨今の鳥インフルエンザ過災の影響もあるし、この価格差は仕方ないのかなあ・・と迷いつつ、「赤丸新味(レギュラー)980円」を選択。
トッピングをケチった分は「平日限定Bセット」博多チャーハン小250円を追加した。
合計1,230円。
結構な金額になってしまうのは昨今の原材料高騰や人件費上昇の影響もあるので、致し方ないとあきらめる。

★平日限定Bセット 赤丸新味

 (お好きなラーメン+博多チャーハン小250円)

長々と冒頭で歴史やらコラボやらセントラルキッチンのスープ作りを書いたが、こういったことを知っていれば、「な~んだ店内自家製炊きじゃないのか」「見た目重要視なんじゃないの~」「原価率抑えて利益率確保」とか言えない( ^)o(^ )。

 最初の一風堂実食体験が良くなかったので当社を避けてきたが、「男子、三日会わざれば刮目して見よ(三国志演義)」的な、結構、美味しいじゃんという印象。
特に麺は博多ラーメンに期待する粉感もあり、スープよりも好印象。
豚骨ラーメンは久々だったこともあるが、当社の味のブラッシュ力には感心する。

 さて、チャーハン。パラパラ感はするが、味が少々、ライト系。これはこれで良いが、特に意見する材料を持たないので、コメントは控えたいものの、悪くはない印象。

◇サービス品

一風堂安城店(愛知県安城市)

愛知県安城市横山町浜畔上61
開店日:2025年2月14日(金)
営業時間:11:00~22:00(21:40 L.O.)
席数:43席
駐車場:18台

◇出店地付近の地図

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この記事を書いた人

食彩品館がゆく」は食彩品館とTMGP合同記事。
商業施設と観光。時々神社仏閣。日本温泉科学会員、日本温泉地域学会員、温泉観光士,温泉名人検定合格,温泉ソムリエ,温泉分析書マスター。研究テーマは「全国各地の温泉分析書を現地現物確認し、源泉データを温泉地別に比較。温泉地環境と温泉資源の運用方法」
ラーメンソムリエ。

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