能登半島・石川県羽咋市にて特別天然記念物トキ8羽を放鳥。本州では56年ぶりの野生復帰と、佐渡島トキの森での繁殖活動を確認(動画),nipponia-nippon

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■ 歴史的背景:本州最後の生息地・能登への56年ぶりの還流

 2026年5月31日、石川県羽咋市において、国の特別天然記念物であるトキ8羽が放鳥された。本州において野生のトキが空を舞うのは、1970年に石川県穴水町で最後の1羽が捕獲されて以来、実に56年ぶりの出来事である。

 トキはかつて日本国内に普遍的に存在していたが、乱獲や高度経済成長期の環境破壊(農薬の多用等)により急激に個体数を減らし、国内産は絶滅に至った。2008年以降、新潟県佐渡島において環境省や地域社会の徹底した「生きものを育む農法」への転換により、野生個体数が500羽前後まで回復
今回の能登での放鳥は、佐渡島に集中する生息地を分散させ、絶滅リスクを低減するための極めて重要な生存適地拡大(ポートフォリオ分散)の戦略的実践である。

■ 能登半島地震からの復興と里山生態系の構造

 2024年の能登半島地震から2年5カ月が経過した現在、石川県はこのトキの放鳥を「復興のシンボル」に位置付けている。山野之義知事らによって放鳥箱が開けられ、識別用に羽を着色された1〜12歳の8羽(佐渡トキ保護センターから移送された18羽のうちのファーストステージ群)が青空へと飛び立った。

 トキが定着するためには、餌生物(ドジョウ、サワガニ、昆虫等)が年間を通じて豊富に存在する「豊かな里山環境」の維持が絶対条件である。地震によって打撃を受けた水田やため池などの農業基盤を、単にコンクリートで固めて復旧するのではなく、トキが生息できる環境保全型の里山として再生していくこと。これこそが、本質的な意味での「環境調和型復興」であり、持続可能な地域社会(身土不二の具現化)への道筋となる。

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🔳佐渡のトキ

■ ショートビデオ(動画)「激流を制するは静水(トキ)」

 2025年9月 トキの森の「トキふれあいプラザで撮影」

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食彩品館がゆく」は食彩品館とTMGP合同記事。
商業施設と観光。時々神社仏閣。日本温泉科学会員、日本温泉地域学会員、温泉観光士,温泉名人検定合格,温泉ソムリエ,温泉分析書マスター。研究テーマは「全国各地の温泉分析書を現地現物確認し、源泉データを温泉地別に比較。温泉地環境と温泉資源の運用方法」
ラーメンソムリエ。

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