ラーメンまるイ 十二番丁店(和歌山市)山盛りの緑宝黒葱と豚骨醤油。早寿司。

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家族と食す和歌山ラーメン。山盛りの緑宝黒葱と豚骨醤油。早寿司。ラーメンまるイ 十二番丁店(和歌山市)


 花山温泉へ家族3名で旅行。
高張性(濃い)花山温泉薬師の湯(和歌山市)における源泉直結運用と浴槽内動態に関する考察。熊野牛すき焼き,花山薬師堂,ロウズ,

チェックイン前に和歌山城へ向かう。途中、和歌山ラーメンを食したいという妻のリクエストに応えて「山為食堂」へ向かうも、本日休業日。


以前、私一人が食した「麺屋ひしお」も近い。


和歌山市へは西国三十三所巡礼として11回ほど訪れていて、その折に和歌山ラーメン店を訪れている。

 和歌山城すぐ近くのラーメンまるイ 十二番丁店を今回、訪れた。

和歌山ラーメン

 和歌山を代表するご当地麺料理「和歌山ラーメン」。もっとも、地元では古くから「中華そば」あるいは単に「中華」と呼ばれてきた。
「和歌山ラーメン」という名称が全国的に知られるようになったのは比較的新しく、1998年に井出商店がテレビ番組で紹介され、その後、新横浜ラーメン博物館への出店などを通じて全国へ知られるようになった。
↓ 井出商店

 和歌山の中華そばは、大きく「車庫前系」と「井出系」に分けて説明されることが多い。ただし、これは昔から地元で使われていた分類ではなく、1998年に新横浜ラーメン博物館の武内伸氏が和歌山市内の店を食べ歩き、特徴を整理したもの。実際には両者とも豚骨と醤油を使用する店が多く、明確に二分できない店もある。

車庫前系と井出系

 車庫前系の源流とされるのが、1940年に和歌山市高松付近で屋台を始めた「丸髙」。戦後に豚骨を使用するようになり、和歌山市内を走っていた市電の車庫前停留所周辺などへ中華そばの屋台が広がった。
「丸髙」「丸宮」「まるやま」「丸木」などが車庫前系として紹介されることが多く、比較的醤油を前面に出したすっきりした豚骨醤油が特徴とされる。

 一方の井出系は、井出つや子氏が1953年から屋台で中華そばを販売した井出商店が源流。豚骨を強火で炊き込むことで生まれた、濁りのあるまろやかでコクの強い豚骨醤油スープが特徴で、井出商店で働いた人や、その味を目指した店へ広がった。
丸三、正善、丸田屋、楠本屋などが代表的な店として挙げられている。

 今回実食した「ラーメンまるイ」は、豚骨メインの豚骨醤油で、味の方向としては井出系に近い。ただし、前述のように和歌山ラーメンの系統分類そのものが厳密なものではなく、まるイは大量のネギ、自家製麺など独自性の強い一杯に仕上げている。

「中華そば」ではなく「ラーメン」

 和歌山では「中華そば」という表示が現在も多い。その中で、まるイの商品名は「中華そば」ではなく「ラーメン」。
店名も「ラーメンまるイ」で、メニューにも「ラーメン」「チャーシューメン」と表示されている。
単なる呼び方の違いではあるものの、「和歌山ラーメン」という名称が全国に定着する以前から続く中華そば文化の中では、少し目を引く表示。

和歌山ラーメンと「はや寿司」

 そして、和歌山の中華そば文化を語るうえで外せないのが「はや寿司」。

 和歌山には古くからサバなどを飯とともに発酵させる「なれ寿司」の文化がある。はや寿司、あるいは早なれ寿司は、そのなれ寿司を食べやすく簡略化したもので、現在では酢飯を使ったサバの押し寿司が一般的。
和歌山県公式観光サイトでも、中華そば店のテーブルに早なれ寿司やゆで卵を置き、好きな時に食べる文化が紹介されている。

 ラーメンまるイ十二番丁店でも、テーブルには「はや寿司」とゆで玉子が置かれている。はや寿司220円、ゆで玉子90円。

 ラーメンを注文した後、出来上がるまでの間にはや寿司を食べる。会計時に食べた分を自己申告する。ゆで玉子も同じ方式。この自己申告方式まで含めて和歌山の中華そば店文化である。

 同行した妻と息子は本格的な和歌山ラーメンが初めて。ならば、はや寿司も一緒に食べてもらわなくてはならない。私にとって和歌山ラーメンでは、はや寿司も必食である。
残念ながら二人とも「いらない」という。(T△T)

ラーメンまるイ 十二番丁店

・ラーメンまるイ 十二番丁店
和歌山県和歌山市十二番丁87 ル・シャトー十二番丁一階
℡073-425-6678
営業時間
 平日  11:00~21:00
 日曜日 11:00~17:00
定休日 なし
http://ramen-marui.com/

 まるイを特徴づけるのは、何といっても丼を覆い尽くすネギ。

 使用するのは九条ネギ系の「緑宝黒葱」。ネギの量は調節可能で、今回は「普通」を選択した。

 ところが、その「普通」が山盛り。

 上から見るとネギしか見えず、三つ並べた「チャーシューメン1200円」「チャーシューメン大盛1350円」「ラーメン980円」のどれがどれなのか、写真だけではほとんど判別できない。

 麺は自家製。公式通販では、麺について半年間試行錯誤したこと、スープについて2日間仕込むことを説明している。チャーシューには鹿児島県産「三味豚(さんみとん)」を使用する。

実食

 まずはネギをかき分けてスープと麺を一緒にすする。ラーメンは蕎麦と違って麺だけ、スープだけは御法度。一緒にすする。
豚骨醤油なので見た目には濃厚ルックス。しかし、口にすると横浜家系ラーメンのような油脂の重さは感じない。
同じ「豚骨醤油」でも、家系ラーメンとは少々成り立ちが違う。横浜家系は豚骨醤油の濃厚スープと太いストレート麺を基本とし、海苔、ほうれん草、チャーシューが代表的な組み合わせ。鶏油を加えるスタイルも広く定着している。
対して和歌山の井出系は、豚骨を強く炊き込んだスープそのもののコクを前面に出し、細めの麺を合わせる。どちらも豚骨醤油だが、食べた時の印象はかなり違う。

 まるイのスープは濃厚で少しとろみも感じるが、脂っぽさが後まで残らない。
大量の緑宝黒葱が加わることで、ネギの香りと水分、シャキシャキした食感が豚骨醤油の濃さを和らげる。

 これだけの生ネギを入れれば、スープには当然ネギ由来の水分が加わる。それでも食べ進めて味が薄く感じない。大量のネギをトッピングとして追加したというよりも、最初からこのネギ量を含めて一杯の味が組み立てられている印象である。

 公式オンラインショップで販売する「まるイ ラーメン」の栄養成分表示を見ると、1杯580gあたり、たんぱく質42.9g、脂質18.0g、食塩相当量7.0gと表示されている。特に、たんぱく質量が脂質量を大きく上回っている点が目につく。
ただし、栄養成分表示だけから「ゼラチン質がどの程度含まれている」「Brix値が高い」といったところまでは判定できない。
実食上は、背脂や香味油の量で押してくる濃厚ラーメンとは異なり、豚骨由来の旨味と粘度を感じながらも、油脂の重さは比較的控えめという印象だった。

 自家製麺は豚骨醤油スープに負けず、大量のネギと一緒に持ち上げても存在感がある。

 そして三味豚のチャーシュー。ネギに完全に隠れているため、箸で探さないと姿が見えない。柔らかく仕上げられ、濃い豚骨醤油と大量のネギの間に入ってもしっかり肉の味を感じる。昨今の低温調理チャーシューをあざ笑うかのことくしっかりとした加熱タイプ。こういったチャーシューを嗜好する。

 何より特徴的なのは、やはり緑宝黒葱。「ネギラーメン」を注文したわけではない。これが当店の普通の「ラーメン」。

 麺を食べてもネギが残る。ネギをスープに沈めて食べる。最後までネギが続く。それでも単に「ネギを大量にのせたラーメン」という印象にならないのは、豚骨醤油スープ、自家製麺、ネギの組み合わせそのものが、まるイの味として成立しているからだと思う。

 そして、その前にははや寿司。豚骨醤油のラーメンにはや寿司という組み合わせは、単なるサイドメニューではなく、和歌山の中華そば文化そのもの。

 同行した妻と息子にとっては初めての本格的な和歌山ラーメン。

 和歌山で「中華そば」ではなく「ラーメン」を掲げる店で、山盛りの緑宝黒葱、豚骨醤油、自家製麺、三味豚のチャーシュー、そして定番のはや寿司。

 「ラーメンまるイ」ならではの和歌山ラーメンを実食しました。

妻の感想としては「和歌山ラーメンを食べられて満足」。
息子は「美味しかった」。
案内した夫であり父親には何も感謝してくれないが、和歌山旅行に付き合ってくれただけで充分、ありがたい。

🔳和歌山ラーメン記事

2010/02/09井出商店(和歌山市)

2018/02/18丸田屋岩出本店(和歌山)

2019/01/20ひしお本店(和歌山)黒豆生

2026/09/20ラーメンまるイ 十二番丁店(和歌山市)

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商業施設・飲食店訪問17,000店強

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この記事を書いた人

食彩品館がゆく」は食彩品館とTMGP合同記事。
商業施設と観光。時々神社仏閣。日本温泉科学会員、日本温泉地域学会員、温泉観光士,温泉名人検定合格,温泉ソムリエ,温泉分析書マスター。研究テーマは「全国各地の温泉分析書を現地現物確認し、源泉データを温泉地別に比較。温泉地環境と温泉資源の運用方法」
ラーメンソムリエ。

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