温泉好きが浴槽を撮影したくなる「4つの心理」
温泉マニアや愛好家が浴槽を写真に収めたいと強く願う背景には、単なる観光の記念を超えた、独特の心理や欲求が存在します。
「奇跡の瞬間」を記録したい収集・記録欲。
温泉は、湧出量、気温、酸化度合いによって湯の色や湯面の状態(湯の花など)が刻一刻と変化する「生き物」です。
特に足元湧出泉のような希少な温泉に出会った際、「今、この素晴らしい状態の温泉に浸かっている」という事実を、ライフログ(記録)として残したいという欲求が強く働きます。
建築物・造形美へのフェティシズム
温泉好きにとって、浴槽は単にお湯を溜める器ではなく、歴史的な木造建築、美しい石組み、職人の技術が詰まった「芸術作品」です。
特にこの掲示が表示されていた鉛温泉藤三旅館「白猿の湯」のような深い浴槽や歴史ある湯治場の佇まいは、建築美・空間美として純粋に被写体としての魅力が非常に高いため、カメラを向けたくなります。
「本物の温泉」の証拠を残したい(承認欲求と情報共有)
SNSやブログ、温泉コミュニティにおいて、「これほど素晴らしい雰囲気。これほど鮮度の良い温泉に行ってきた」というエビデンス(証拠)として、浴槽の写真は最も説得力があります。
言葉だけでは伝わらない「お湯のチカラ」を視覚的に共有したいという心理です。
さらに浴室画像が氾濫する理由は情報提供者であることの存在の誇示。
これは厄介です。宿が「犯罪行為」と注意しても撮影したい、開示したい欲求が強い。そして言葉による表現が苦手なので画像に頼りがち。
非日常の感動をパッケージ化したい
五感(湯の香り、肌触り、温度、音)で感じた圧倒的なリラックス感や非日常の感動を、視覚情報(写真)に変換して「パッケージ化」することで、後からいつでもその感動を追体験できるようにしたいという心理です。
規制POPが「覗き見と同等」と警告する理由
非常に強い調子で以下のように書かれています。
「浴場内の撮影(写真)撮り等は、『覗き見』と同等行為とみなされ軽犯罪法で処罰されます。」

実際に軽犯罪法で処罰されるかはともかく、ここまで強い表現を使う背景には、施設側の防衛策と、近年のテクノロジーの変化があります。
他客のプライバシーと尊厳の絶対的保護言うまでもなく、浴場は人間が完全に無防備(全裸)になる場所です。
撮影者に悪気がなく「浴槽だけを撮るつもり」であっても、他人の身体が写り込むリスクが常につきまといます。
スマホ・超小型カメラの普及による警戒近年のスマートフォンやスマートウォッチ、あるいは超小型カメラの進化により、「撮っているように見えない動作」での盗撮リスクが飛躍的に高まりました。
施設側としては、「悪意ある盗撮犯」と「悪気のない温泉マニア」を瞬時に見分けることが不可能なため、一律で「撮影=覗き見(犯罪)」と定義せざるを得ないのが実情です。
そして私が一番の契機となったと想像するのは、温泉施設における「女性による女性脱衣所の盗撮事件」だったと思います。
トラブルの事前抑止
「他のお客様がいない時ならいいだろう」という例外を認めると管理しきれなくなるため、POPで「軽犯罪法で処罰」と明記することで、強い心理的抑止力を狙っています。
なので私は事前に「写真撮影の許可」を申請します。ほとんど撮影は許可されますが、ダメな場合は諦めます。その代わり公式ホームページの画像拝借の許可をお願いします。
ちなみにこの温泉浴槽は混浴です。
更衣室や浴槽の画像を撮影し、公に公開する時はそれなりの覚悟が必要ということですね。
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・温泉好きが「覗き見と同等(軽犯罪法違反)」という強い言葉で規制されてもなお、浴槽の写真を撮りたくなってしまう心理について考察。(私的印象です)

