「洋食 もりい」で限定30食のワンランチプレート実食記,街洋食の系譜を受け継ぐ、岡崎の実力派。JRナゴヤタカシマヤギフト採用店

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街洋食実食記,限定30食のワンランチプレート,岡崎の実力派。JRナゴヤタカシマヤギフト採用店。竹千代ポーク,

目次

街洋食の系譜を受け継ぐ、岡崎の実力派

 このところ(と、いってもかなり以前から)、昭和から続く「街洋食」が若い世代を含めて再評価されていますが、それは単なるレトロブーム(懐古主義)ではありません。
独自の発展を遂げてきた「日本の洋食文化の歴史」と、そこにある「職人の手仕事への信頼」が、本物志向の現代において見直されているからです。

●洋食 もりい
店舗HP 
愛知県岡崎市柱3-6-17
℡0564-79-3887

「待ちは最大の無駄」なれど、惹かれる理由がそこにある

 落ち着いた佇まいの外観。 平日の12時12分に到着した時点で、すでに店外には待ち組が1名。

受付を済ませて待っている間にも、次から次へと来客が続く。
ふと店内を覗けば、空いているテーブルには「予約席」のプレートが置かれていた。

 しまった。先に用事を済ませてから、ピークタイムをずらして訪れるべきだったと少々悔やむ。
常日頃、「待ちは最大の無駄」を標榜する私。しかし、一度店に入ってしまえば、あとは美味いものに出会えることを信じて大人しく耐えるのみだ。
待つのが嫌なら、次回は事前に予約をしてから伺えば良いだけのこと。

 幸いだったのは、外で待っている間にメニューを配られた際、「限定30食のワンランチプレート」の有無を確認できたことだ。
その場で先行注文を受けてくれた。 どうやら私が注文したものが最後の一品だったようで、直後にランチプレートのメニュー看板が台裏に片付けられた。当店実食の直前の和具(三重県志摩市)の店に続き、今回も限定メニュー最後の1品にありつけた。運が良い。


 前客1組(待ち番号6番)が席に案内されたのは12時31分。待ち番号7番の私も、すぐに続いて案内された。
この時点で、受付番号は11番まで増えている。 平日の昼時、この客足の絶えなさこそが、地域に根ざした「街洋食」の実力を物語っている。

なぜ今、「街洋食」に惹かれるのか

ここで少し、日本の洋食の歴史に目を向けてみたい。

 西洋料理が日本に伝わったのは明治期。当初は宮中晩餐会や高級ホテル、一部の官公庁などで提供される「お雇い外国人によるフランス料理」が主流であり、一般庶民にとっては高嶺の花。
それが大正から昭和にかけて、日本人シェフたちの手によって「ご飯(白米)に合うおかず」へとドメスティックなローカライズを遂げていく。
デミグラスソース、カツレツ、エビフライ、ハンバーグ……これらは西洋の技術をベースにしながら、日本の食文化と融合して生まれた「和製洋食」という独自のジャンルである。

 近年、こうした「街洋食」が再び脚光を浴びている理由は、手仕事に対する信頼感にある。 効率化を最優先するファミリーレストランやチェーン店が増えた現代において、街洋食の個人店は、仕込みから調理まで職人が五感を使って手作りする。
デミグラスソースを何日もかけて煮込み、肉を挽き、注文を受けてから仕上げて提供。
この「ごまかしのきかない誠実なプロセス」と、どこか温かみのある空間が、本物というか、まがい物ではない料理を求める食い手の心を捉えて離さないのだ。

手仕事の温もりを感じる平日限定プレート

 席に着き、ただ料理を待つ。 すでに先行して注文は通してあるが、ライスかパンかの選択を確認されていないのが少々気になった。

 料理が提供されたのは12時50分。入店してから待ち時間を含めて約40分が経過していた。

★ワンプレートランチ(平日限定) 1,400円

 通常ランチメニューよりも200円ほど手頃な設定のようで、人気が集まるのも頷ける。
プレートに美しく盛り付けられているのは、ハンバーグ、豚のしゃぶしゃぶ、そしてエビフライ。ライスは別皿で平皿に盛られて供された。

 メインのハンバーグはふっくらと丸みを帯びたハンバーグに、艶やかなデミグラスソースが注がれている。
ナイフを入れて断面を確かめると、きめ細かくしっかりと練り込まれた肉から、じわりと肉汁が滲み出てくる。
加熱具合も上々。昨今のリスクを感じる生焼けハンバーグではなく、中心部まで加熱された基本タイプ。
肉本来の旨味をデミグラスソースが優しく包み込む。
 パンフレットによれば、こちらのハンバーグは「国内産地の牛肉・豚肉を仕入れ、毎日店内でミンチにしている」とのこと。
この毎日の丁寧な仕込みこそが、雑味のないクリアな旨味を生み出している。

 サブ核メニューの豚のしゃぶしゃぶは、ほのかな甘みを感じるごま風味のドレッシングがかけられ、上には瑞々しい菜の花が添えられている。
同店のパンフレットで大々的に紹介されている地元のブランド豚「岡崎竹千代ポーク」は、普通の三元豚ですが、オクオカ竹プロジェクト推進事業で竹林を整備した竹を竹炭として飼料に添加した取組が評価されています。
しっとりとした柔らかな質感と、脂身のすっきりとした甘みを感じるものの、さすがに金アグー豚や岩中豚、純系金華豚とまではいきません。
ジェイアール名古屋タカシマヤでは当店の「岡崎竹千代ポークを使用した自家製ハンバーグ」をはじめ、ナポリタン、自家製ドレッシングを詰め合わせた中元ギフとの販売されている。

 プレートを横断するように盛り付けられた大ぶりのエビフライ。
 サクッとした軽快な衣の食感の奥から、エビならではの弾力と甘みが広がる。添えられた自家製のタルタルソースが、揚げ物のコクをさらに引き立ててくれる。
普通の輸入エビと思われるが、プリプリ感だけでなく、海老の味わいも感じられる。通常、用いられることの多い、バナメイエビやブラックタイガーではないと思う。

地域食材への敬意と、揺るぎない実直さ

 40年を超える流通の場に身を置き、調達責任者としての目利き、食材表示の厳格さやリスク管理、そして食品衛生を見つめ続けてきた私の視点から見ても、この店が掲げる「地のものへのこだわり」には一貫した誠実さを感じる。

 店内の掲示物によれば、同店で提供・販売されている「白味噌ドレッシング」には、地元・岡崎の「桝塚味噌」の白味噌や、「太田油脂」の菜種油が使われている。二社とも、誠実さでは全国屈指の会社であり、私も直接、お付き合いがあった。

枡塚味噌(野田味噌)訪問記

らんパーク,太田商店訪問記

 こうした地元の伝統的な調味料や、近隣で育まれた良質な食材をメニューに落とし込み、手作りで提供する姿勢。これこそが、食の歴史を未来へ繋ぐ「街洋食」のあるべき姿ではないだろうか。

 入店までの待ち時間や提供までの時間は少々要するものの、運ばれてきた一皿に箸を(あるいはフォークを)進めれば、その丁寧な仕事ぶりにすべての納得がいく。
確かな技術と地域の恵みが詰まった、非常に満足度の高いランチでした。

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この記事を書いた人

食彩品館がゆく」は食彩品館とTMGP合同記事。
商業施設と観光。時々神社仏閣。日本温泉科学会員、日本温泉地域学会員、温泉観光士,温泉名人検定合格,温泉ソムリエ,温泉分析書マスター。研究テーマは「全国各地の温泉分析書を現地現物確認し、源泉データを温泉地別に比較。温泉地環境と温泉資源の運用方法」
ラーメンソムリエ。

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