「地元の素潜り漁師の沖縄魚の刺身」は予想以上の美味しさ。創作沖縄居酒屋,きんぱぎんぱ(沖縄県中頭郡北谷町)刺身5点盛(マクブ,ミーバイ,島だこ,カンパチ,生マグロ),ポークたまごチャーハン,金波太巻き,黒豚ギョーザ,あかばなぁビール,オリオン生,パイン,パッションフルーツ,琉球新麺通堂号とラー博。

 地元客が食す沖縄料理を食べたいと思って当店を選んだが、さほど期待していなかった居酒屋さんの料理、特に「地元の素潜り漁師の沖縄魚(店舗表示)」の刺身の美味しさに驚いた。

★食べログ記事をアップしました↓

きんぱぎんぱ(沖縄県中頭郡北谷町)実食記

目次

オフィスりょう次と新横浜ラーメン博物館

 当店は「有限会社 オフィスりょう次(那覇市)」の居酒屋部門3店のうちのひとつ。他にラーメルン店5店、飲食店2店、そしてFC店2店。2025年3月には「桜坂グランド(那覇市)」がオープンする。

 沖縄本島の北谷町にある「きんぱぎんぱ」には敷地内に「琉球新麺 通堂号」もある。「通堂(とんどう)」は新横浜ラーメン博物館にも出店している(2001年に出店し、一時期退店した後、2021年再出店)。
この「通堂」は沖縄そばではなく、「おんな味」という塩らーめんと「おとこ味」という豚骨ラーメン。辛みそや黒こがしにんにくもある。沖縄県民が好きなアジクータ(コクとダシ感豊富)タイプのラーメン。
このラーメンのルーツをたどると、新横浜ラーメン博物館による「新ご当地ラーメン創生計画」の第一弾として、博多一風堂の河原成美氏のプロデュースにより、りょう次グループがラー博に1年間出店した後に、沖縄にて通堂を出店し、沖縄に沖縄そばとは違うラーメン文化を根付かせた経緯がある。

きんぱぎんぱ実食記

 さて、当店での実食話に戻る。
夜だったので外観はわかりにくいが、翌日、昼間に店前を通過した時にお店を眺めると、沖縄本島北部の「山原(やんばる)」から移築したという趣のある赤瓦屋根の古民家。沖縄にはこういった古民家を移築改装した飲食店や宿泊施設をみかけます。
八重山諸島方面ではよく見かけるが、本島では北部方面に行かないと一般住居としての琉球民家を見ることができないように思う。実際にはまだまだ残っているのでしょうが旅行者は気づきにくい。

 昼間は赤瓦が太陽によってキラキラと金波に輝き、夜は月明かりが銀色に輝いて客を迎え入れてくれるらしい。
♪夕日待つ様な赤瓦~♪(ビギン)と、思わず口づさむ。

予約は必要

 予約を入れずに伺ったが、たまたま空きがあるからといって入店することができた。
後客はすべて断られていたのでラッキーでした。
客層は地元客がアメリカンビレッジよりは多く、我々のような観光客もチラホラ、そしてインバウンド多数。”(-“”-)”

メニュー

 我々の目的は夕食を摂ることなので、おつまみを肴にご飯物をいただく予定でメニューを眺めると・・・。

あるねぇ。
妻は3~4回目の沖縄で、私は八重山諸島と本島のみながらも、過去、いろいろな沖縄食材はいただいている。それでも地元の居酒屋さんは初なので、珍しいやら嬉しいやらでなかなか決まらない。
ちゃんぷる~系は那覇空港でいただいたし、沖縄そばは昼食で食した。
ジーマーミ豆腐も本場の味を確かめたいし、自家製いかすみ焼きそばも気になる。
絶対に頼まないのは“●●●●”です。中国浙江省の寧波を訪れた時、郊外の食堂で出された「腐乳」を思い出してしまって、今でも食べられない。
でも“スクガラス(アイゴの稚魚の塩辛)”は食べてみたい。ヒージャー(ヤギ)刺しも一口食べてみたい。
一人なら間違いなくオーダーしているが、今回は肉も魚も婚前は食べなかった妻と、正体不明な料理(自分の知らない料理のこと)を食べようとしない子供が同行。
あまり刺激的な料理はやめておこうということで、オーソドックスなメニューを選択。

★鶏肉の梅あえ(お通し)330円×3皿

 入店着席即自動発注の「お通しのシステム」は納得いかないことが多いが、低価格だし、致し方ない側面もある。何より、これは美味しいので!(^^)!。

★刺身5点盛1980円

沖縄三大高級魚

 「本日のおすすめ」の手書きメニューを見て“沖縄3大高級魚”と称される“マクブ”を発見。できればアカマチ(ハマダイ)““アカジン(スジアラ)”もいただきたいが、アカジンも“ミーバイ”と呼ばれる魚の仲間なので、当日のミーバイの種類に期待したい。


刺身5点盛を頼めば「本日のおすすめ」掲載魚種がいただけるかもということで、注文確定。

 マクブ(シロクラベラ)、ミーバイ、カンパチ、マグロ、島だこ。

 カンパチの代わりにイラブチャーだったら良かったのにと思いつつ、カンパチを食べるとコリコリとした食感が半端ない。東紀州の尾鷲、紀伊長島、熊野(三重県)から紀伊勝浦、串本、すさみ,田辺(和歌山)の食材探訪を20年間ほどしていた時期にも、今回のようなカンパチの食感と旨さに出会ったことがなかった。
意外や意外、素晴らしい逸品です。沖縄のカンパチを見直したぞ。

 島だこ。沖縄周辺海域ではワモンダコ,シマダコ,サメハダテナガダコが漁獲され、そのうち重量比98%が“ワモンダコ”(出典:沖縄水海技セ事報 75,53-57(2015) )。 第2と第3腕の腕膜上に輪紋があるため、“ワモンダコ”と呼ばれるらしい。
見た目は真ダコのようだが、味はほのかに甘く美味しい。ワモンダコは茹ですぎると身が固くなるらしいので、当店の調理技術に拍手。

マグロ。本マグロではなく、キハダかメバチ。店の方に聞いたが品種名は知らないそうです。推定、生キハダと勝手に推測。先月(1月)に2億700万円の築地一番まぐろの熟成品を「銀座おのでら名古屋店」でいただいているので、さすがに・・・。
当日のお刺身の中ではちょっと残念な・・・。でも鮮度は良い。
築地一番マグロ,2億700万円の本まぐろ実食記

ミーバイ。沖縄で“ミーバイ”と称する魚種は多い。一説によると50種と言われるが、ハタ科ではないイシガキダイも“ミーバイ”と呼称されることがあるので、素人には良くわからない。
当日も従業員に聞いたが“ミーバイ”の品種名は不明だった。(忙しそうで厨房に確認してくれない)
何にしても、この魚、旨い。先ほどのカンパチにも驚いたが、このミーバイも鮮度抜群で美味しいったらありゃしない。
食感と刺身のネタから推測すると、ミーバイの中でも高級魚とされるアカジン(スジアラ)ではなく、ハンゴーミーバイ(アカハタ)ではと思うものの断定できないのが残念。
↓ 沖縄のミーバイ(元画像はWEB会議より引用。TMGP作成)

マクブ(シロクラベラ,ベラ科)。“沖縄3大高級魚”。皮が湯引きされていて、皮下のうまみ成分を堪能できる。ウマイったらありゃしない。
磯釣りやイカダ釣りをしていた頃はベラは釣ったら即、リリース対象だった。
このマクブは絶品。
↓ マクブ(画像中央)とミーバイ(画像右側)↓

5点盛といっても、各3カンなので都合、15貫。最近、刺身が以前ほど食べられなくなって(量的に)大丈夫かなと思っていたが、最初に食べたカンパチの旨さに衝撃を受けて、家族も大喜び(と、言っても私以外は静かに微笑むのが我が家の“大喜び”の表現だけど)。
その他の品種も、まずは私が1貫、味見してから家族に勧めるというスタイルで進行。
普段、刺身をあまり食べない妻が途中から「美味しい」と言い出して自ら積極的に食べ始めたし、元々、魚好きの息子も黙々と食べる。
実はマクブミーバイの味があまりにも素晴らしくて、妻に「これはベラだよ~」
とか言って、一人占めしようとしたが、すぐに(美味しい魚なので独り占め作戦と)見破られてしまった。でも、妻が私の分も食べてよいと言ってくれたのでマクブを2カン食べることができた。妻に感謝です。
それにしても、本来は私の注文品なんだがなあ。

地元の素潜り漁師さんが獲ってくれた鮮魚」の謳い文句に偽りなしといったところか。

↓ ご参考「“自家製”沖縄の魚の画像」

↑(元画像はWEB魚図鑑その他より引用)し、TMGP作成。

↓ こちらは最終日に那覇空港の「琉球回転寿司 海來」で食した県産魚。後日、記事で紹介予定。

・マチ,タマン,ミーバイ,セイイカ,イラブチャー,マグロ,↑

さて、「きんぱぎんぱ」の実食の話に戻す。

★ポークたまごチャーハン660円

 ご飯好きの子供のために注文したが、これも美味しくて3人でシェア。沖縄感があってよろしい。追加しようかと思ったが、それよりも別メニューを頼んでみるかということで、次のメニューを追加オーダー。

★金波太巻4貫550円

 マグロととびっこ、キュウリ、アボガドに卵焼き。

★きんぱ黒豚餃子550円

 あぐー豚メニューにするか迷ったが、翌日は“カタカナ”の「アグー豚(純系種)」を食す予定なので、“ひらがな”「あぐー豚(交配種)」はパス。ただし、当店が「アグー」と「あぐー」の表示名称を使い分けているのかは不明。
代わりに妻が「黒豚餃子」を選択。
具が詰まっていて美味しい。

★飲み物

・オリオン生中600円(画像右端↓)

とりあえず、♪三ツ星かざして~♪ オリオン生。以前、石垣島と由布島(八重山諸島西表島の隣)で飲んだオリオン生が美味しくて印象的だったが、当日のオリオン生はちょっと元気のないオリオンだったのが残念。

・あかばなぁビール700円(ハイビスカスビール)
 右側画像は古宇利大橋側のハイビスカス(2025年2月撮影)↓

 オリオンはすぐに無くなったので(^ー^)、こちらを追加。
沖縄ではハイビスカスは花弁や葉を用いて、洗髪に使われていた時代があった。ハイビスカスで洗うと髪のツヤが良く出るのが理由。
また、今でも食用や飲用として用いられることもあるようで、琉球神話では「天と地をつなぎ幸せを運ぶ縁の花」として古来より大切にされてきた。
そのハイバスカスを製品化した“Beni”を使っている。
生ビールのBeni割りといったところでしょうか。
続いて、生シークワーサーガフ(シークワーサービール)を頼もうとしたが、食事が終わった家族に促され退店。

★南国ジュース 

家族は二人ともノンアルコール。息子(30歳)はお酒を飲まないので沖縄っぽい飲み物を選択。公正競争規約及び施行規則としてのジュースではないと思う(この部分、未確認)。

・パイン450円
・パッションフルーツ450円

右側は前述のオリオン生ビール↓

◇メニュー(店頭掲示)とレシート

きんぱぎんぱ
沖縄県中頭郡北谷町美浜2-4-7
℡098-926-0076
営業時間17:30~翌1:00(L.O.24:00)
定休日毎週水曜日、元日、ウークイ(旧盆)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

食彩品館がゆく」は食彩品館とTMGP合同記事。
商業施設と観光。時々神社仏閣。日本温泉科学会員、日本温泉地域学会員、温泉観光士,温泉名人検定合格,温泉ソムリエ,温泉分析書マスター。研究テーマは「全国各地の温泉分析書を現地現物確認し、源泉データを温泉地別に比較。温泉地環境と温泉資源の運用方法」
ラーメンソムリエ。

目次