2件、うなぎ実食記事が続きます。
この記事はうなぎ処一所(愛知県岡崎市)です。
【2025/06/05木曜日公開】
★うなぎ処一所(愛知県岡崎市)中国産ウナギ長焼＋小ライス＋肝吸いで4,675円。
★昼だけうなぎ屋安城店(愛知県安城市)うな丼特上(１尾)2,800円＋肝吸200円－駐車代200円割引=2,800円。産地不詳のジャポニカ種(ニホンウナギ)の意味するところ
【2025/06/07土曜日公開】
・食べログ記事「昼だけうなぎ屋安城店(愛知県安城市)うな丼特上」
【2025/06/08日曜日公開】
・食べログ記事「うなぎ処一所(愛知県岡崎市)中国産ウナギ長焼。
うなぎは産地だけでなく、品種の確認も必要な時代になった。
世界自然保護基金（WWF）ジャパンと中央大学が国内販売のウナギ蒲焼きのDNA分析の結果,約4割はアメリカウナギ（ロストラータ種）だった。特に中国産は半分以上がアメリカウナギだった（中日新聞,他報道）。
・ウナギ、国内販売の4割は北米種 稚魚の違法取引に懸念(共同通信)ヤフーニュース ↓
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西尾市のウナギ店が産地偽装で話題になってからこのところ,産地を表示しないあるいは聞いても「その時々で良い産地を仕入れている」としか公開しない、あるいは産地を隠そうとするうなぎ店が増えてきたように思う。
食用ウナギは二ホンウナギ（ジャポニカ種）,ヨーロッパウナギ（アンギラ種）,アメリカウナギ（ロストラータ種),ビカーラ種の4種。現在,日本で食されているのはニホンウナギの他にも出回っていることを知ることが大事。（もっとも産地偽装されたら事実は不明）。
うなぎ処一所(愛知県岡崎市)実食記
美味しいとか不味いの前に知りたいことがある。口に入れるモノはできるだけその正体を知りたい。特にメイン原材料が目的で食す時は。例えば、鰻、牛肉等畜種、魚介類。
きちんと食材について、あるいは調味料まできちんと情報公開している料理店は「志の高い店」としてリスペクトしています。
特に鰻を食べる際は絶対に「産地」と「生体サイズ」を知りたい。
愛知県の某人気鰻店で産地偽装にあってから、どうにも鰻の産地表示には懐疑的。
特に産地偽装でニュースになってからは以前のように堂々と「三河一色産」と表示する店が少なくなっているような・・・・。聞いても「その時々で一番良い産地のうなぎを卸から仕入れている」とだけ。
当店もメニューに産地表示を見つけることができなかった。
最近、明確に表示する店が少なくなったように思う。特に開店から年月が経過していない店は。
メニューに産地が表示されていない時は中国産と思って注文することにしているが、サイズが不明だと長焼にするかそれとも3切れとかにするか悩む。
当店でも、とりあえず確認すると産地は不詳ながらもサイズは4Pクラス(生体で250g程度)ということは分かった。
4Pサイズならばさほど大きくないので長焼で良いでしょう。
養殖ウナギの価格高騰という理由以外にも、長焼ではなくひつまぶしメインの店が増えていることもあり、手頃な4Ｐクラスを使うことが多い。
こうなると、3Ｐ～3.5Ｐクラスを使う市内某店が魅力的。
注文後、想定時間(活鰻捌き～白焼き～タレ付け焼き）よりもかなり早く、提供されたので、ちょっと心配になる。
★長焼＋小ライス＋肝吸い 4,675円
うなぎ実食支払い価格としては過去最高クラスになってしまった。
まずは焼き加減。
良いですね。特に皮が。
ウナギは4Ｐサイズなので身はさほど厚くはない。
先日、食した鰻店では事前白焼きを提供前に温めなおした(推測)ようで、食感イマイチだった。
今回は支払い価格のこともあって、かなり期待。
まずは頭側からいただく。
若干、気になる。何が気になるのかは筆をとどめてしるさず・・とする。
気になるコトの元となるのは泥抜き工程(活かし込み)だろうか？。意味がないという学説もあるが、活鰻調理前の大事な作業だと思っている。
それでも、今回の気になるコトは頭側、というか内臓除去後の身の部分だけだったので、活かし込み不足ではなく、焼きなのか、個体原因なのかはわからないが、ちょっと気になった。
身は蒸しが入っているのかと思うぐらい柔らかめ。
蒸し工程を入れない同じ関西風焼きでも尾張系の鰻はカリカリになっていることが多いので、この点が差異のように感じる。(尾張がすべてカリカリ、西三河やわらかという意味ではない)。
前述の頭側の気になるコトもあるが、焼き時間の影響もあるのかも知れない。
それでも、皮部分はしっかりと焼かれているので焼き不足とは思えない。皮側の焼き加減から推測する限り、なかなかの腕前。
この柔らかさが当店の特徴なのかも知れません。
帰りに産地を確認したら「中国産」ということでした。国産の時期もあるようです。
ちょっと残念だが、某西尾市の鰻店のように産地をごまかさないという点では評価できる。
感じた「気になるコト」について聞こうとしたが、サイズや産地確認などしたこともあり、「チョットうるさそうな客」と思われたのか、こちらの話に乗ってきそうにないので問いかけをやめて退店。
鰻を食す時には「産地」と「生体サイズ」の確認は必須だと思います。
客が全員、注文前に確認するようになったら、店側も面倒になってメニューに表記してくれるようになるかも知れません。
「美味しければ産地やサイズなどどうでも良い」という意見も理解できます。
「中国産も国産も、ジャポニカ種の活鰻を料理店で捌いて焼いたら優劣は不明」という意見も理解できます。
現役の頃、食品部門の調達担当をしていた時代があった。
取引先から国産と言われて仕入れた商品が実は海外産だったという実体験がある。もう40年近く前なので、産地表示については曖昧な部分があった。海外産でも国産でもほとんど見分けがつかないというか、見分ける能力・知見が無かった。
反省し、以降、海外産地まで出向き、現地・現物を確認して調達する仕組みを作った。
鰻についは、同僚が1980年代から何回も台湾や中国の鰻養殖場に行ってジャポニカの養鰻場を確認している。私も農産物を中心に1980年代末から1990年代にかけて中国東北部から華北・中部・華東・華南地区に産地視察出張で何回か出かけているが、当時は日本の商社が現地で指導・管理している農地、養殖場や生産工場じゃないと調達リスクがあるという印象だった。
現在は現地状況がどうなっているのか良くわからないが、私は自分が関わった商品にはきちんと「中国産」と表示していたし、トレサビリティも生産地から手元に届くまで追跡できるようにしていた。
選択するのは客なので、私は中国産はどうも・・・という客もいるでしょう。国産ブランド鰻も品揃えして選択できるようにすべきだし、産地は重要な情報なのできちんと表示すべきだと思う。
これは当店だけの話ではなく、外食産業全体、特に主原料がメインになる料理店にはお願いしたい。
国産だったら表示するけど海外産だったら表示しないというのはちょっといただけません。海外産と表示したら売れなくなるので隠すというのは・・・。
美味しければ良いということではないと思う。
正直に表示したら店が立ちいかなくなったと言われても困るが。
・うなぎ処 一所
愛知県岡崎市赤渋町字下河原33-1
℡0564-83-5755
営業時間
月・水・木・金・土・日
11:00 – 14:00
17:00 – 20:00
定休日 火曜日
うなぎの価格について考察
まずは中国産ウナギ スーパーマーケット購入商品
・価格は 1,069円(税込)
・推定サイズ 4P(生体で約250g/尾)
・中国で養殖(生産地不明)・加工・冷凍→店舗で解凍。
(生鮮ではなく加工食品のため“解凍”表示はない)
・中国産かば焼きのタレに使用されることの多い“アナトー”が着色料として使用されている。産地を調査する時にアトナー色素が検出されたら中国加工と判断されることが多い。
・加工者は西友安城店表示(小分けとパック)だがうなぎの加工自体は中国と推察される。
背開きなので関東風だろうか。
普段、こういった加工品(産地で加工して冷凍)を購入することは国産・海外産を問わず、まず、無い。
レンジで温めるよりも、若干、水を加えてフライパンで蒸し焼きにするとふっくら感が出る(お勧め)。
意外と美味しい(^ー^)。今まで毛嫌いしていた自分を反省。古古米の時と同じ。食べず嫌いはアカンね。
当然、店で活かし込みした活鰻を注文があってから開いて、この道数十年の職人さんが炭焼き～タレ付けして丁寧に仕上げるといううなぎ料理よりは劣る。そもそも比較すること自体に疑問がある。
続いて活うなぎの市販品販売価格について
以下は活うなぎの価格。TMGP調査データより
店に問い合わせると「今、一番美味しいと思われる産地のうなぎを選定」と言うが・・・
専門店サイズの4P(生体重量約250g)の産地別価格を比較した表。
価格は調査日の活うなぎの価格(ネット市販品)からいろいろと想定。
活うなぎは、生きた状態で店に配達される。これを自店で開くと推測し、長焼(1尾)での提供価格を想定したもので、実際の価格とは違います。チェーン店ではあらかじめ加工したものを仕入れて温めなおすだけということもあるし、開いた鰻を仕入れて白焼きして準備、注文の度に温めなおすという店もある。
表によると、中国産と国産うなぎ(産地混)の価格差は133%で、一色産限定だと160%の価格差がある。
産地不詳の低価格うなぎは推定、中国産とする根拠です。
国産より品質の良い中国産も当然、あります。
トレサビリテイもしっかりしていて、養殖池での使用薬品や品質検査などが明確に見える化されている海外産もあります。
実際の仕入れ価格はこの表の価格よりも低いと思われるため、無理をして国産うなぎを使用する店もまだまだ残っていると思われる。
また、調査時においてはサイズについても4Pと5Pではさほどの差がないが、身の厚さに差がある。
以前は「三河一色産」と表示する店が多かったが、最近はだんだん少なくなって、産地を聞いても「産地はその時々で変わるので・・・・」と言い訳するところが多い。
自信を持って「中国産」と名乗れば良いと思う。
中国産と表示したら売れなくなるという理由は客にとってどうなんだろうか。表示したら売れないものを黙って客に出しているということか？。
「美味しければ産地なんかどうでも良い」という人には関係のない話だが、産地なんか知りたくもないという方もいるでしょう。
いつも言うように「表示は企業の、店の品格を表す」。大事ですね。
選択するのは客なので、私は中国産はどうも・・・という客のために国産ブランド鰻も品揃えして選択できるようにすべきだし、産地は重要な情報なのできちんと表示すべきだと思う。
これは当店だけの話ではなく、外食産業全体、特に主原料がメインになる料理店にはお願いしたい。
国産だったら表示するけど海外産だったら表示しないというのはちょっといただけません。
・外食の原産地表示ガイドライン(農水省)
がんばれウナギ屋。私は産地関係なくお店で食べ続ける応援宣言。でも産地は教えてね。
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