北海道利尻島・礼文島産「エゾバフンウニ(ガンゼ)」。いつもの「島の人新千歳空港店」で購入。ただし、箱ウニではなく、塩水ウニ(レブニフーズ)。ミョウバンの無しのメリットとデメリット。

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目次

まずは北海道 利尻・礼文島(2016年6月)の話から

 北海道北端(最北端ではない)離島の利尻島と礼文島を2016年に訪れている。目的はレブンエツモリソウを見るためと、利尻・礼文産エゾバフンウニを現地で食すこと。
ウニの解禁期間は、函館エリアは4月~6月と12月~2月、噴火湾エリアは12月~5月、知床半島エリアは1月~6月となっていて、利尻島と礼文島エリアは6月~9月。2018年はレブンアツモリソウ開花期に合わせて、ウニ漁解禁直後の6月に訪れたのです。
幸いにもレブンアツモリソウは最盛期であったので見事な開花状況を確認できた。

 もう一つの目的であるエゾバフンウニは残念ながら「入荷無し」。
代替にムラサキウニ丼を礼文島香深漁協直営レストランで実食。
香深漁協直営海鮮処「かふか」でキタムラサキウニ丼と海鮮丼。


 礼文島の最北端にあるスコトン岬にある「島の人礼文島本店」でも楽しみにしていたイートインのエゾバフンウニのお寿司が入荷無し。当年度の短い漁期が始まったばかりでウニが不漁ということでした。

 北海道まで来て、しかも利尻・礼文島まで行ったのは新鮮なバフンウニを食すため。
若い頃、食品調達部門の青果バイヤーだった当時、同僚の鮮魚バイヤーから北海道、特に産地漁場で食す剥きたてのウニの食味感想を聞いて以来、いつかは現地でと願っておりました。

 個人旅行ならば北海道の知人を介して、産地市場・産地仲買人や漁協・生産者直営のお店を訪れたり、道の駅等の観光施設ではなく、産地近くのローカルスーパーや漁協・農協直営店を訪れて、自分で目極めながら購入する。
ただ、2016年の旅行時は少人数ながらも団体旅行。勝手にあちこち行くことができない上、稚内空港から県営名古屋空港往復直行便。残念ながら利尻・礼文島産の生ウニは未購入で終わった。
ここで、誤解無いようにお断りするが、北海道産生ウニは利尻・礼文産の味が一番良いということではなく、また、産地直送だから美味しいとは限らない。
旬の時期(ウニ漁解禁期間)の生ウニを技術力のある加工場で生産し、敏腕流通業社が適正温度帯管理をして消費地に届けられた生ウニが美味しいことを付け加えておく。
生鮮物なのでアタリハズレは付き物だが、そのリスクを低減するのは間に入る方々の努力によること大。

久々、新千歳空港経由旅行(2020年大雪山周遊)

 礼文・利尻問島旅行以後の北海道旅行は、名古屋から旭川空港、中標津空港等々、札幌以外の空港への直行便利用が多く、次に新千歳空港を訪れたのは2020年。
観光客用のお店が並ぶが、やはり空港価格なので、生鮮物を購入することは皆無。
それでも「島の人新千歳空港店」を訪れたのは利尻・礼文島産の海産物を購入するため。
また、「島の人」は前述のようにスコトン岬の本店へも訪れていて、販売商品も現地現物で確認し、従業員の方々ともいろいろ話をさせていただいている。公式そしてホームページ(レブニフーズ)を見ても産地偽装とか縁のなさそうな会社であるという理由もある。

 業界人となった1981年当時、私は22歳。新卒で就職し、生鮮3部門の(青果・精肉・鮮魚)各売場を配置換えしながら数年間現場修業。その後、青果バイヤー→生鮮部門統括責任者→食品調達責任者→商品企画・流通本部長や店舗部門の店長、店舗統括責任者などで鍛えた観察力と目利力
商品だけでなく、商談企業や担当者の社格・人格・能力まで見極めることを求められる職場で永年研鑽してきた能力をようやく自分ために発揮できるようになった。
そういった「観察力と目利力」から判断して、「島の人」は信頼できそうだと勝手に判断させていただいた。
もっとも、岐阜県の老舗精肉店や西尾市の人気うなぎ店で産地偽装にまんまと引っかかった過去がある。
自分の「目利力」もまだまだということで、今後も楽しみながらも精進させていただく所存。

 2020年9月の話に戻る。
「島の人新千歳空港店」を訪れたものの、90g入りの氷結バフンウニと同じく90g入りの氷結キタムラサキウニセットで9,718円が品揃えされていて、塩水の生バフンウニは見当たらず。

↓ 代替として購入した礼文島産 鮭の筋子

利尻・礼文島のウニ漁は、礼文島の香深漁協がバフンウニ6月〜8月 ムラサキウニは4月・5月・9月となっていて、利尻島では6月1日からムラサキウニが解禁で9月15日まで、バフンウニはさらに短く、6月10日が解禁で8月30日まで。(日程は要確認)
9月までの期間で漁に出られる日も限られ、利尻島は時間も2時間という。
こうなると、2018年6月初旬に礼文島で代替とはいえ、ムラサキウニを食すことができたのは幸運といえることを思い知る。次はバフンウニ最盛漁時期に合わせて利尻・礼文を再訪したい。

島の人新千歳空港店(2023年6月)

 そして、2023年6月に久々に(5年ぶり)新千歳空港を経由する機会が訪れたのです。(ようやく、今回の主文に入る)
登別温泉で5源泉に浸かり、エスコンフィールドで日ハム対中日戦を観戦し、白い恋人パークを訪れた帰りの新千歳空港。ちなみに往路は新幹線乗り継ぎで名古屋から函館北斗駅まで、その後在来線乗継で各地を巡った後の最終訪問場所。

 ありました。
ようやく出会えました。利尻・礼文産エゾバフンウニ(ゼンゼ)

売場で商品を見て自分で選択できるというのが通販との違い。
知り合いの目利きができる人、例えば北海道最北の高質スーパーのような方々だったらともかく、生鮮品は自分の目で選びたいのです。

 でも価格を見て悩みました。

90g入 税込10,000円。

 さすがにこの価格を見て躊躇わずに購入できるほど年金は貰っていない。
それでもこの先、礼文・利尻産の生ウニを自分で選んで購入する機会はあるかどうか。
今回の旅行は家族3人。新千歳空港では各人がそれぞれ好きに過ごすと決めてあったので、一人で買物していることを幸いとして購入してしまった。

箱ウニ

 普通、寿司店のネタケースで並んでいる生ウニは「箱ウニ(折りウニ、弁当箱)」と呼ばれる木箱に綺麗に並べられているタイプ。
↓ 箱ウニ

あるいは大箱タイプの箱ウニを使う。
↓ 鮨 銀座おのでら 名古屋店実食品

 箱ウニは寿司店で用いられることが多く、ウニ収穫後、剥いたウニをタンパク質凝固作用のある食品添加物のミョウバンで処理することで、輸送中に形が崩れるリスクを低減し、日持ちも良くなる。
(もちろん、箱ウニでもミョウバンを使わないものもある)
↓ ミョウバン不使用(×無添加)

 駅弁や物産展の催事ではもっと日持ちというか、製造から喫食まで数時間以上かかることを想定し、生ではなく蒸しウニを使う。

塩水ウニ

 今回、購入したのは「塩水うに」。
塩水ウニは収穫後、すぐに加工場で生殖巣を取り出して塩水につける。
ミョウバンを使わないのが箱ウニ系との違い。
具体的な工程は以下の通り。(北海道立中央水産試験場・北海道大学大学院水産科学研究院「塩水ウニ 製造マニュアル」より抜粋)

ミョウバン処理方法と渋みの有無

 北海道とは異なるが、山口県水産研究センターのウニ加工のマニュアルの中に「参考(板ウニ作りの達人の技)」という項目がある。
ミョウバンの濃さによるウニの味を料理人に比較してもらったとかで、試験の結果、0.25%の場合は4分以内に、0.7%の場合は1分以内に処理しないと味に渋みを感じるらしい。
さらに、型崩れと日持ちを検証したところ、上記の時間内であれば7日間ほど日持ちがしたという事例が紹介されている。
結論としては「濃度の薄い(0.25%)ミョウバン海水を使って、低温(20℃程度)で処理すると、ミョウバンの浸透しすぎを防ぎ、渋みを感じない生ウニの製造ができる」と紹介している。

 結論としては、「渋みあるいは苦みを感じるのはミョウバンだけの所為ではなく、技術力と鮮度(時間経過によるミョウバン浸透しすぎ)がある」ということでしょうか。

塩水ウニのメリットデメリット

 箱ウニはちょこちょこ使っても日持ちが良いので一気に食べる必要はさほどないため、寿司店で主として用いられている。
箱ウニを自宅で食す場合、ミョウバンの浸透が心配な方はさっさと食すのが賢明。
また、ミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム)はアルミニウムを含むため、厚生労働省により、暫定耐容週間摂取量として体重1kgあたり一週間に2mgまでという値が設定されている。そんなにミョウバンを食べることはできないと思われるので心配はないと思いたい。

 塩水ウニは前述のようにミョウバンが用いられていないため、苦手な渋みや苦みのリスクが箱ウニよりは少ないものの、箱ウニよりも消費期限(賞味期限ではなく)が短く、且つ、開封したら即日に消費しなくてはいけない。
それでも無添加(“無添加”ではなく正しくは“ミョウバン不使用”と表示すべき)オタクや渋みや苦みが苦手な方を中心に、昨今は塩水ウニの方が人気があるという。

 あと、持ち帰るうちにウニの成分が溶け出して塩水が濁るので、開封したらひと手間かけてウニを修復する必要がある。

↓ 売場の塩水ウニと自宅に持ち帰った後の塩水ウニ(当日購入品)

 塩水ウニを開封し、ザルにあけて水切りをしてキッチンペーパーで軽くふき取り(崩れに注意)ラップにくるんで冷蔵庫で熟成(と、いっても2時間程度)すると、より美味しく食べることができます。
達人は2~3日置いてから食べるという方もいらっしゃるようですが、そのあたりは自己責任で。
私は水切った後に2つに分けてラップにくるんで小分け。当日の夜(初日)、翌日の夜(二日目)と分けて食べたところ(良い子は真似せずに開封当日に食べてね)、当然のごとく初日の方が美味しい。

味はどうか。
確かに美味しいけど、1万円という価格からするとどうなんだろうか。
ただ、あの礼文・利尻島の景色を思い出しながら食べるとさらに美味しく思えるから不思議。

↓ 味は舌で感じるが、「美味しい」は脳が最終判断する(クリックで記事へ)

やっぱり、産地で剥きたてを殻からすすって食べてみたい。

↓ エゾバフンウニとバフンウニ

↓ キタムラサキウニとムラサキウニ

 ちなみに、海産物の中ではさほどウニは好物ではなかったりする。(^ー^)。
↓ 購入した各地のウニ(一部)



それでも「北海道 利尻島 仙法志産 プレミアム 生エゾバフンウニ」は現地(利尻漁協仙法志支所 直売店)へ行っていることもあり、一度は食してみたいと思っている。

↓ 利尻漁協仙法志直売所,利尻山,仙法志公園のゴマフアザラシ,利尻昆布

↓ 仙法志付近の漁。 ↑ゴマフアザラシと利尻昆布

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・島の人新千歳空港店

北海道千歳市美々
 新千歳空港国内線旅客ターミナルビル2階
(国内線出発フロア「どさんこ産直市場」)
℡0123-46-2103
営業時間8時~20時

楽天 島の人 販売サイト

アマゾン島の人 販売サイト

ふるなび(“北海道”“生ウニ”で検索)

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この記事を書いた人

食彩品館がゆく」は食彩品館とTMGP合同記事。
商業施設と観光。時々神社仏閣。日本温泉科学会員、日本温泉地域学会員、温泉観光士,温泉名人検定合格,温泉ソムリエ,温泉分析書マスター。研究テーマは「全国各地の温泉分析書を現地現物確認し、源泉データを温泉地別に比較。温泉地環境と温泉資源の運用方法」
ラーメンソムリエ。

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