築地一番マグロ,2億700万円の本まぐろ実食記。鮨,銀座おのでら名古屋店で「旬のおまかせ握りコース “月“ 15種」実食記,赤酢飯,氷見寒ブリ,長崎産天然クエ,津軽海峡産イワシ,天然クエ,ミミイカ,しらうお,北寄貝,釣りものキンキ,バフンウニとキタムラサキウニの食べ比べ,江戸前のコハダ,ボタンエビの頭,廻転すし・登竜門との違い。

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鮨,銀座おのでら名古屋店実食記,一番マグロ

目次

一番マグロ報道

  たまたまテレビで地方局の朝のニュースを見ていたら「名古屋でも“一番マグロ”を食べることができる」と紹介されていた。
でも高いんだろうなあと思っていたら、ランチは8,800円からと、意外とリーズナブルであることを知る。
と、いうのも、以前、廻転寿司の銀座おのでらで実食した時の支払い価格とほぼ同等だったから。
一番マグロは新幹線でクーラーボックスに入れて名古屋まで運んだらしい。1月7日と8日にランチのコースに“一番マグロ”を1貫入れて提供と紹介されていた。

 そこで、ホームページを確認すると、1月7日は予約が埋まっているものの、1月8日は朝11時からが空いていた。
ランチのコースは2種で「旬のおまかせ握りコース“風”8,800円(税込)」と「旬のおまかせ握りコース “月“ 15種 11,000円(税込)」。
これにサービス料別途15%がかかる。
いずれのコースも“一番マグロ”が1貫ついてくるが、せっかくなので15種を選択。
支払い価格は12,650円(サービス料込)と明確なのが良い。
しかも1貫あたり約3万円の“一番マグロ”が入っているのでお値打ち感はある。

鮨 おのでら

 ここで、「鮨 おのでら」について。
銀座本店を中心に3カ国で20店舗(ホームページでは19店と紹介し(執筆当時)、店舗紹介ではは2国22店となっている)を出店している。(※現在のHPは修正済)
その店舗数で2億7,000万円の一番マグロを競り落とす資金力があるのは「ONODERA GROUP」が全国3,000ヶ所以上で給食サービスを展開する株式会社LEOCやサッカーの横浜FCを含む売上高1,309億円(2024年3月期)という規模の企業だから。
ちなみにすしざんまい(喜代村)は2022年度,の売上高は145億円。

出店ブランドは高級系の「鮨 銀座おのでら」6店(銀座・名古屋・京都・上海・ハワイ・ロスアンジェルス)。
入門系の「廻転鮨 銀座おのでら」「鮨 銀座おのでら登龍門」は若手職人の修行の場を兼ねている分、価格的にはリーズナブル。
鮨以外にも麺類、和食、鰻、鉄板焼きなど多種に及ぶ。

廻転鮨 銀座おのでら本店(東京都渋谷区)実食記(2023年)

↑ 廻転すし おのでら本店で実食品画像です

一番マグロ

 “一番マグロ”についてもおさらい。
豊洲市場において毎年の初競りで最高値をつけたクロマグロのこと。
ここ数年の一番マグロの価格と落札者は以下の通り。

・2025年大間産クロマグロ276kg2億700万円
 (やま幸,おのでら,なだ万※)
 ※なだ万は2024年にグループ入
・2024年大間産クロマグロ238kg1億1424万円
  (やま幸,おのでら)
・2023年大間産212kg3604万円
    (やま幸)
・2022年大間産211kg1688万円
  (やま幸,おのでら)
・2021年大間産208kg2084万円
     (やま幸)
・2020年大間産276kg 1億9,320万円
     (喜代村“すしざんまい”)
・2019年大間産3億3,360万円
    (喜代村“すしざんまい”)

 豊洲市場移転前は“すしざんまい”の喜代村が競り落とし続けて名を馳せたが、広報効果も落ち着いたと判断したのか経営状況にも配慮したのか、2019年の頃とは違い、1番マグロへの執着は一段落。
代わりにここ数年は「やま幸」「おのでら」チームが一番マグロを落札。
2025年は2024年に続いて億超え価格となって話題となりました。

↓ 2025年一番マグロ(右側画像)の腹かみ付近に貼られた「やま幸(ゆき)“初荷シール”」を記念にいただきました。

 大間のまぐろは何回かいただいたことがあるものの、一番マグロは高嶺の花、且つ東京まで行かないといけない上、実食が約束されているわけではないのがネック。
ところが名古屋で一番マグロを食せるようになるとは思いもよらなかった。

中日ビル

 鮨 銀座おのでら 名古屋店は中日ビルのザ クラブ・ロイヤルパークホテル アイコニック 名古屋(2024年2月20日開業)の7階に出店。
ニュースリリース三菱地所2024/02/16

 予約した11時の10分前に到着。他客はまだ来ていない。
しばし待つと時間通りにオープン。
総本店と同様の様式にこだわったとかで、白木のカウンターにちょっと緊張するが、壁の備前焼やワインセラーには興味津々。

 ちょっと安心したのは料理長藤田 拓也氏ではなく、若手の上村サミュエル礼氏がカウンターにいたこと。若手の方があれこれ聞きやすい。
しかもカウンター中央の直前で銀座本店仕込みの技を堪能できる。
 

★旬のおまかせ握りコース “月“ 15種+1品追加 

 以下、順番に紹介。

まずは大きな生わさびにビックリ。静岡産。
鮫皮おろしで生わさびをおろしているのをカウンターから眺める。

↓ 浄蓮の滝売店でみた生わさびよりもデカイ。

↓ 筏場の生わさび畑(静岡県伊豆市)(訪問記20205/02/24)

↓ より深く“鮨”を理解するための参考書

茶碗蒸し。イクラ乗せ。
ほお。と、器に関心。

長崎産天然クエ
表参道の廻転すしで“食べ比べ”を食しているが、今回のクエは味の良さが際立つ。
天然クエは紀州方面のお店で何回か食しているものの、当店の甘味は熟成によるものか、ほのかに甘味を伴う旨味を感じる・
グッジョブ。

北海道産ミミイカ
 ミミイカって小さなタコイカだと思ったが、これは少々大きい。味は時に感想は無いが、塩をふっている。赤酢飯に負けない味。

北海道産ボタンエビ
デカイ。これは嬉しいが、噴火湾の産地近くで食したボタンエビよりは味は劣る印象。でも、その後に出てきたボタンエビの頭焼きは絶品だった。

本まぐろの赤身。
当店は基本、氷温熟成してからネタにする。当然、トリミングロスは出るが、味は良い。この本まぐろは一番マグロではないが、飾り包丁など手数が入っていて良い。ちょっとサクッとした部分があったのが残念。

名古屋店と廻転鮨おのでら銀座本店との違い↓ 同じ“やま幸”の本マグロだが、熟成感と飾り包丁の手数が違う。

北海道産ニシン。
これは素晴らしい。味も良いが、このルックスには感動する。最強の逸品。味も本場北海道の産地近く(小樽や石狩、その他)で食したものとは別格。これだけ薄くスライスしたらアニサキスも発見しやすいので安心して食すことができる。

津軽海峡産イワシ
飾り包丁が美しい。新鮮なだけではない仕込みの妙技を味わう。グッジョブ。このイワシを食べて育ったマグロを今夜は食す幸せ。

北海道産北寄貝
身が厚い。これは旨い。しっかりとした弾力ともども感服。

しらうお
“しろうお(ハゼ科)”ではなく“しらうお”。琵琶湖のひうおとの混同もあったりする魚種なので、一応、再確認。汽水域の魚で、処理が悪いと生臭みが気になるが、これはまったく気にならない。

江戸前のコハダ
待ってましたのネタ。飾り包丁も美しい。
ネタとシャリの間に車エビのそぼろを仕込むという仕掛けには感嘆。記念にそぼろを撮影させてもらう。

↓ 廻転すしおのでらの実食品と比較。

熟成氷見の寒ブリ
ミオグロビンの色が変色しているのは氷温熟成しているから。トリミングロス発生は熟成マグロ同様。
これは旨い。さすがだね~。氷見の寒ブリを熟成するという贅沢な逸品。

北海道産キンキ
釣り物。炙りで皮目の旨さがより際立つ。食感がねちゃっとならないのはさすが。

本メジマグロ(本マグロの幼魚)
私、実は本マグロよりも本メジが好き。でも流石に、氷温熟成の本マグロを食した後では少々、物足りない。

エゾバフンウニとキタムラサキウニ。
どっちにするかと尋ねられたので両方と答えたら、追加料金が発生してしてしまった。1貫3000円かあ。
箱を確認したら北斗市だったので函館近郊産と思われるが、バフンよりもキタムラサキの方が味が濃く美味しかったのが意外。礼文で食したキタムラサキウニよりも好印象。

“一番マグロ”大間産2億7,000万円

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この記事を書いた人

食彩品館がゆく」は食彩品館とTMGP合同記事。
商業施設と観光。時々神社仏閣。日本温泉科学会員、日本温泉地域学会員、温泉観光士,温泉名人検定合格,温泉ソムリエ,温泉分析書マスター。研究テーマは「全国各地の温泉分析書を現地現物確認し、源泉データを温泉地別に比較。温泉地環境と温泉資源の運用方法」
ラーメンソムリエ。

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