昆布つけ麺塩とチャーシュー。そして驚きの昆布水茶漬け。岡崎 天然昆布水つけ麺 礼音 & 鮨 礼音(れのん,岡崎市)本物志向の立派な姿勢に敬意を表する。うま味調味料(×化学調味料)を使わずに原材料から抽出した旨味成分のみなので味覚感知が苦手タイプには不向きかも。

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礼音(れのん,岡崎市)

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礼音(れのん,岡崎市) ※追記準備中

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礼音(れのん,岡崎市)

目次

つけ麺、特に昆布水系が苦手な私

 正直、当店を知る前には昆布つけ麺が苦手だった。
もともとつけ麺が苦手な上に、旨味成分をさほど感じない昆布つけ麺を何回か食してから苦手意識を持つように。
それでもせっかくの新店なので是非とも食したいという動機。

駐車場を探す

場所をナビにセットして訪れたものの駐車場が「?」。
店舗入口に置いてあった地図を頼りに駐車場を探すことから始まる。

 店主のプライベートなことなので記述は差し控えるが、元店の外観と内装雰囲気を残しての新店オープン。
まずはビートルズクラブ会員としてジョンとヨーコのアート作品に最敬礼。


 カウンターに座る。
テーブル席は店内と店外にも。
メニューは「昆布つけ麺」のみで、「塩」と「醤油」がラインナップのすべて。
実に潔い。
せっかくなのでお勧めの「塩」を選択。

☆昆布つけ麺1,100円にチャーシュートッピング300円

 結論から言うと「旨い」。

 そして久々に感動した。

 まずはつけ麺の昆布水だけで麺をすすってみた。
これだけでいいんじゃない?
続いて添えられた塩をつけて麺をすする。
美味いねぇ。嬉しいねぇ。久々に食事して感動。
麺の食感がちょっと柔らかめなのも蕎麦のような喉越しの良さに配慮してのことかと今更ながらに気付く。
店主としては「ついで」扱いのつけ汁も良い。特に、麺をちょこんとつけていただいた後の薄まったつけ汁の味が良い。

 うま味調味料(昭和の“化学調味料”という名称は平成以降、正式に姿を消して今は“うま味調味料”と称す)を使わずに旨味を創出するということは難しいが、特に昆布水ということで、薄味の妙味を感じる舌力を持っていないと評価されにくいという難点を持つ。
今回の驚きは昆布水の旨味が当方の舌力程度でもはっきりと感じられること。
麺も老舗江戸蕎麦のようにスルスルと喉を通り過ぎる。
指南通りに麺の60%を何もつけずに、20%は塩をつけて、そして残りの麺は江戸蕎麦を食す時のように先端に少しつけ汁をつけていただいた。

 麺をすべて美味しくいただいた後に店主から「昆布茶づけの追い飯」提案があった。
小食なので普段ならライスを食すことはできないが、せっかくなのでご厚意に甘えることに。
 思わず「うわっ」と驚く。
少々、薄目の昆布水入りの麺から始まった旨味成分の波が一気に押し寄せた。
これはスゴイ。
初めての体験。
麺よりもご飯の方が昆布の旨味を感じる理由は店主が説明してくれた。
なるほどねぇ。
お茶漬けは必須かもしれない。

 何にしても良い体験をさせていただいた。
感謝しかない。

ちなみに昆布の出処は企業秘密とか。

 推測するに噴火湾周辺の真昆布や細目昆布、利尻昆布ではないと思う。羅臼または釧路から根室に至る産地で収穫される長・厚葉昆布でもない。推定、羅臼昆布や日高昆布の一級品のブレンドと推測したが?。

↓ 昆布産地に関する記事
北海道産の昆布について覚書。真、利尻、日高、羅臼、長、細目、厚葉、がごめ、天然・養殖促成等々

 最後に付け加えるがうま味調味料(旧称;化学調味料)過多摂取による通称“中華料理症候群”タイプの舌力を持つ方にはお勧めできません

 さらについでに一言。できれば原材料表示にもこだわって欲しい。某蕎麦店某うどん店のように。

・礼音
愛知県岡崎市江口1-1-41
℡0564-77-3319
営業時間 
 月・火定休日
 水~日 am10~pm3
 金土日 pm6~

======================

<ご参考>北海道産昆布について

●コンブ   

・不等毛植物門褐藻綱コンブ目コンブ科
 コンブ科の海藻のうち、細長い形状をしたもので、食用に供されるものを“コンブ”と呼び、「昆布」と表示されています。
同じ海藻でもワカメは「不等毛植物門褐藻綱コンブ目チガソイ科ワカメ属」のワカメ種ということでコンブとは科が違う植物。

  国内産天然昆布の出荷量の約95%は北海道産。その他の産地(青森、岩手、宮城県等)で5%。
尚、天然と養殖・促成の比率は75:35で天然の方が多いようです。というか、養殖・促成栽培の昆布が出荷されていたこと自体を知りませんでした。さらに養殖は2年で促成は1年で収穫しているということも初めて知ったのです。
天然物は生育期間2年で収穫するわけですが、養殖物も2年かけて種苗から育成し収穫。促成物は2年かかるところを1年で生育収穫しているということです。
当然、人気は天然物なのですが、生鮮活魚と異なり「養殖」という表示はされていないことが多いため、パッケージに「天然」という表示があるかどうかしか素人である食彩品館には区別をつけることができません。
養殖されている品種は「真昆布、日高昆布(ミツイシコンブ)、利尻昆布(リシリコンブ)、羅臼昆布(オニコンブ」等、産地・品種的に優位性があるというものがほとんど。

加工食品部門の調達担当に直接関わった経験はなかったものの、加工食品と生鮮食品を含む食品の統括調達責任者をしていた頃にもう少し商品について勉強をしておくべきだったと反省。

 コンブ科の種類としては45種(14属<13属という文献もある>)あり、宮城県以北の太平洋岸から北海道全域に分布。


寒流(太平洋の親潮)側では「長・厚葉昆布」、「日高昆布」、「羅臼昆布」が生育し、北海道南部の噴火湾では「真昆布」が、対馬海流の日本海沿岸部~オホーツク沿岸では「細目昆布」、「利尻昆布」が生育しています。
私もそうだったのですが、意外と知られていないのが、利尻昆布といっても利尻島で収穫されたのとは限らず、地図のように留萌北岸から網走までの沿岸部で収穫された昆布はすべて「利尻昆布」と呼ばれます。
尚、主な昆布の種類別特徴は下記の通り。

□利尻昆布

・真昆布、羅臼昆布に次ぐ高級品の位置づけの人気種。
・真昆布より幅が狭い。色は黒褐色。
・甘みを感じ、真昆布よりも塩味が勝り、食感は硬い
・味が濃く香り高い。澄んだ出汁。
・京料理に使われることが多い
・吸い物、鍋物、湯豆腐
・肉質が硬く削っても変色しないため、おぼろ昆布、とろろ昆布として加工
・利尻・礼文、留萌以北、野寒布岬、宗谷岬、網走までのオホーツク沿岸部
・主産地は宗谷(利尻島の沓形・鴛泊・鬼脇・仙法志、礼文島の香深、船泊)、稚内陸方(稚内、声問、宗谷)、北見・留萌
・利尻昆布の中では利尻島産のものが最上位に位置づける文献が多い。

□真昆布

・肉厚・幅広。淡褐色の葉色。葉の長さ1~8m、幅は12~30cm
・切り口の色により、白口元揃(白色)と黒口元揃(黄色)に区分
・上品な甘みで清らかな出汁。鍋物に適す。
・主産地は白口浜(尾札部、川汲、安浦、臼尻、大船、鹿部、砂原)。黒口浜(椴法華、恵山、古武井、尻岸内、日浦、戸井)。本場折浜(小安、石崎、銭亀、宇賀、根崎) 。白口浜のものを上位産地と位置づける文献が多いが、さらに細かく格付けされね傾向にある。 

 □羅臼昆布

 (利尻系長鬼昆布:オニコンブ)
・葉幅が20~30cmと拾い。葉長は1.5m~3.0m。
・葉色により黒口(黒色:半島の尖端が産地)赤口(赤褐色:半島の南端が産地)と区別。
・出汁が濁るが香り良く濃厚な出汁がとれる
・「出汁の王様」の別名。煮物、鍋物。関東地方で特に好まれて使われるが、北陸、特に富山での消費が多いのが特徴。
・出汁昆布の他、昆布茶、佃煮等にも利用
・知床半島の根室側沿岸に生息し産地名は「羅臼」で統一出荷

□日高昆布(三石昆布)

・三石昆布のうち、日高地方で収穫されたものを「日高昆布」と呼ぶ。
・葉長2~7mの割りに幅が6~15cmと狭い。
・黒味を帯びた濃緑色。
・万能用途。柔らかく煮えやすく味も良い。
・煮物の具材、昆布巻、出汁昆布
・日高地方の三石町が主産地で、十勝沿岸から白糠までの地域で収穫。
・主産地は日高地方(富浜、門別、厚賀、新冠、静内、春立、三石、荻伏、東栄、井寒台、浦河、様似、平宇、旭、冬島、近笛、本幌、歌別、歌露、東洋、岬、庶野)、十勝・渡島(恵山、古武井、尻岸内)

□長昆布

・葉幅6~18cmながら長さが20mに及ぶものもある
・灰色がかった黒色。
・生産量が多く加工材料として使用されることが多い
・佃煮昆布、昆布巻、煮昆布、おでんの昆布として使用
・釧路知人岬から根室納沙布岬までの太平洋沿岸
・釧路地方(釧路東部、昆布森、厚岸、散布、浜中)、根室(落石、根室、歯舞、貝殻)

□細目昆布

・1年目の夏に収穫される一年生昆布
・細目の葉形で、葉長0.4m~1.5m、葉幅5~15cm。
・切口は他の昆布に比べて白い
・粘りが強い。とろろ昆布や納豆昆布の材料として使用
・道南(福島町)から檜山、後志~苫前、羽幌、天売・焼尻までの日本海沿岸

□がごめ昆布

・表面の籠の目状の凹凸があるため「がごめ」と名付けられた
・粘りが強く、健康訴求利用で需要増。
・とろろ昆布、おぼろ昆布、納豆昆布、松前漬などに利用
・真昆布と同じ地域に生息

□厚葉昆布(がっがら昆布)

・長昆布よりも葉に厚みがあり、佃煮昆布、塩吹き昆布、おぼろ昆布、ばってら等に利用。
・葉長が2m~5m。白粉が目立つ黒色。
・長昆布と同じ地域に生息

★昆布の品質と等級

・天然と養殖(促成)があり、天然が優遇され、たいていは「天然」表示がある
 天然昆布は自然に着生した昆布で、前年の水昆布が枯れて、次に生えてきて2年を経過したものを収穫。 養殖は種苗ロープに着生させた種苗を2年かけて養殖。
・「浜格差」。収穫場所により値段が異なることをいう
・生育場所により「沖」と「岸」にわけられ、「岸」物が優遇される。
・検査等級は大小、傷等で1~6級に区分される。
 1等(青紐)、 2等(赤紐)、 3等(紫紐)、 4等(茶紐)等、でわかれるが、他に「加工用」「キズ」等もある。基本的に見た目の形状で区分されているため、味の良し悪しは等級だけでは判別できない。

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この記事を書いた人

食彩品館がゆく」は食彩品館とTMGP合同記事。
商業施設と観光。時々神社仏閣。日本温泉科学会員、日本温泉地域学会員、温泉観光士,温泉名人検定合格,温泉ソムリエ,温泉分析書マスター。研究テーマは「全国各地の温泉分析書を現地現物確認し、源泉データを温泉地別に比較。温泉地環境と温泉資源の運用方法」
ラーメンソムリエ。

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