黒川温泉 湯峡の響き 優彩(熊本県)。浴場が7つある良いホテルだがリスクのある地鶏のタタキを夕食バイキングで出す大型観光ホテルは初めて。そして部屋の灰皿に驚愕。問い合わせメールの行方。湯峡の響き優彩(熊本県阿蘇郡)黒川温泉の風景。TMGP式温泉成分説明。

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湯峡の響き優彩(熊本県阿蘇郡)黒川温泉

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 この記事は2022年12月の旅行記事です。内容は2022年12月時点のモノ・コトであり、現在の状況とは異なるかもしれません。
また、内容に施設の表示についての疑問や喫煙者用灰皿が部屋にあったり、施設への問い合わせに対する対応などについての意見を記述する部分については実際に体験したことの私的感想であり、施設の社会的信用を低下させることが目的ではありません

目次

黒川温泉 湯峡の響き 優彩

 湯布院と並んで人気の九州熊本の温泉地。
以前より是非ともと思っていたがなかなか訪れることができなかった。ようやく訪れることがでたにも関わらず、記事にするまで3年かかってしまった。

温泉

 まずは温泉について。当施設には7つの大浴場がある。内訳は4つの大浴場(内風呂)、3つの露天風呂(外風呂)、2つの貸切風呂(室内風呂)。ホームページによると「すべて源泉かけ流し

 各浴場は「まほろばの湯」、「やわらぎの湯」、「貸切の湯」の3つに分かれていて、日帰り入浴は「やわらぎの湯」の3つの浴場のみ。

※浴槽画像は宿のHPより抜粋
(更衣室及び浴場
への撮影機材の持ち込みは盗撮疑義をかけられるリスクがあるため)

◇まほろばの湯(大浴場)

・竹林の湯(宿泊者専用)

 日が落ちるまでは陽光に照らされた竹林を、夜が更けてからはライトアップされた竹林を眺めて入る。
この竹林の湯を目的に訪れる客も多い。
当施設の一番人気の風呂。
時間で男女入替制。新湯投入量が少ないのが気になる。

・双檜の湯(宿泊者専用)

2つの檜風呂が並ぶので“双檜”。
ここから露天の渓流の湯とつながる。
時間で男女入替制。
湯槽が小さく客数も少ないので気持ちの良い入浴が期待できる。
新湯投入量はこちらも少ないが大浴場よりは活性力(成分効果大)があるように感じられた。

・渓流の湯(宿泊者専用)

屋根付きの半露天風呂で天候に左右されず入浴可能。
景色が良い。
この施設の特徴だが、気持ちの良い入浴をすることを優先した造りになっている。
お湯の印象としては嗜好するタイプではない。
時間で男女入替制。

 浴槽から眺める渓流は田の原川で、この川に沿って黒川温泉の宿が並ぶ。
筑後川の源流である田の原川は阿蘇山外輪山を水源とし、小国町(熊本県阿蘇郡)で志賀瀬川と合流するまでの呼称。その後、杖立川~大山川~三隈川~筑後川と名称が変わり、最後は有明海に注ぐ。熊本・大分・福岡・佐賀県を流れる延長143kmの大河川で、別名「筑紫次郎・筑紫二郎」と称す。板東太郎(利根川)、四国三郎(吉野川)と併せて「日本三大暴れ川」。

◇やわらぎの湯

・湯滝の湯(日帰り入浴可)

 源泉が上から壁伝いに落ちる、なんとも雰囲気のある浴場。
ここから樹彩の湯につながる。
新湯投入量は少な印象だが客数が少なく、気持ちの良い入浴ができる。

・樹彩の湯(日帰り入浴可)

 屋根付きの半露天風呂で、木々の間から見る景色も良い。
見た目の印象を大事にする温泉客向きに造られていて、宿の気配りが伺える浴場。

◇貸切風呂

・杉の湯(宿泊者専用)

地元産の小国杉で造られた浴場。森林浴をイメージしているとか。
浴槽が小さい分、活性化(成分効果大)された湯が期待できる。

・なごみの湯(宿泊者専用)

もうひとつの貸切風呂は石畳で。杉の湯との対比が面白い。

温泉の成分について

源泉は湯峡の響き優彩
泉質はナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉

温泉基準値超成分
・源泉温度基準値25℃に対して79.2℃
・メタケイ酸50mgに対して160.7mg

療養泉基準値超
・源泉温度基準値25℃に対して79.2℃
 (温泉基準値と同じ)
・溶存成分基準値1,000mgに対して1,060mg

溶存成分は療養泉基準値ギリギリのさほど濃くない溶存成分数量。
成分の説明はホテルがきっちりと表示してくれている。
ただし、重要な情報が欠けているのが気になる。何か隠したいコトがあるのでしょうか?という疑念が沸く。
特に浴槽の運営方法について表示されていない(宿泊当時。正しくは「見つけることができなかった」)のが気になった。(帰宅後と今回の記事をアップする前の2回メールで問い合わせたが・・・)。

TMGP式温泉成分説明

 ちなみに当施設の温泉の運営方法や温泉成分(平成24年分析)を当方流に推測し解釈すると以下の通り。

 温泉掲示について、前述の通り温泉分析書から大事な情報の一部が掲載されていない。
特に「湧出量」は大事な情報。活性力のある湯(成分効果大)であるかどうかを宿泊客数と浴槽の数・広さを見比べながら推測するための重要な情報。
実際に入浴した時の感想については前段の浴槽紹介で述べている。
条件としては「湧出したばかりの新鮮な源泉」「湯槽棟などで源泉が滞留していない」「源泉湧出地からできるだけ近い」「湧出地からできるだけ空気に触れずに浴槽投入」「源泉が加工(加水・加温・消毒)されていない」。ただし、入浴適温調整はいたしかたない。
 この源泉が豊富に投入(最低限「利用客数×1リットル/分」以上)されていて1時間程度で浴槽のお湯が入れ替わっている(ターンオーバー)というのが理想。大浴場サイズでは困難

 「浴槽ターンオーバー時間が短い」ことが重要である理由は「鮮度」「活性力」に期待できるだけでなく、入浴客一人当たり0.5g落とすとされる「汚れ」を排出することで「衛生」面にも貢献するから。

 そういった条件が整えば、温泉分析書に表示された源泉成分の効果に期待できる。
たとえば、泉質名の「硫酸塩」の成分である硫酸イオンは肌の老廃物を取り除きしっとりとさせる効果が期待できるが、それも活性力・還元力のある湯かどうかがカギとなる。

 湧出したばかりの新鮮な源泉が浴槽に注がれると、空気に触れることで酸化され、あるいは成分が沈殿したり、次第に投入源泉成分に影響を与え、そして老化(エージング)し、お湯が安定する。
この老化するまでの間が成分効果に期待できる時間とされていて、塩化物塩や硫酸塩などは、二酸化炭素泉、放射能泉、硫黄泉に比較して成分劣化は少ないが、還元力の減衰がポイントとなる。
 そういった「還元力がある浴槽の湯」かどうかを推測するための重要情報である湧出量表示がないことが不思議で気になる点。

 それでもこれだけいろいろな浴槽が造られているのは宿泊客にとって嬉しい限り。
「あ~気持ちよかった」を実感できます。

食事について

夕食ビュッフェ

 地元食材が充実したバイキング。全国、どこへ行っても各施設が嗜好を凝らして提供してくれる。ホントに感心させられる。

赤うし

 今回のナイスは「赤うし」。
「赤うし」こと、褐毛和種(あかげわしゅ)の日本での産地は熊本と高知で育てられている。
くまもとあか牛」は熊本の在来種と シンメンタール種の交配種が固定された品種で1944年に和牛登録されている。(他の和牛は黒毛和種・褐毛和種・無角和種・日本短角種)。

あか牛の特徴として、なんといっても赤身が多く、脂が苦手になってきた当方のような前期高齢者にとってはありがたい和牛品種。
時折、関西方面を訪れた際にスーパーで購入する機会はあるものの、なかなかお目にかかれない貴重種。存分に食すことができたのがありがたい。

 豚肉の阿蘇美豚も初実食できた。「肥後あそび豚」が正式名称。自然環境に近い広い豚舎で肥育してのびのび育てるというのが特徴。アニマルウェルフェア(動物福祉)も先んじて取り組んでいる。

地鶏タタキ

 当ホテルのような大型宿泊施設で鶏肉のタタキを提供していることに驚く。カンピロバクター食中毒の原因食になることがある鶏肉は保健所も適正温度での加熱調理を徹底指導している。
鹿児島県や宮崎県では鶏肉の生食文化があることもあり、県独自の基準を設けて事故防止に取りくんでいるが、熊本県にはそういった鶏肉生食の取り扱い基準があることは聞いたことがない。もしかすると鹿児島県で処理された生食対応の鶏肉かもしれないと思いつつちょっと不安。
あわせて“地鶏”である。今まで飲食店等で「地鶏」と表示されて地鶏であったことの方が少ない。大抵は地養鶏などのブロイラーブランド鶏であることが多い。
本当に地鶏を使っている場合は品種名を表示していることが多かった。
熊本であれば「肥後ちゃぼ」「久連子鶏」「熊本種(コーチン)」「地すり(シャモ)」そして「天草大王」などの品種名を表示してあれば間違いなく(偽装でない限り)地鶏。
「地鶏」と表示する場合は品種名を表示して欲しい。この点、残念。

それでも大型施設で鶏肉タタキを提供する勇気には拍手を送りたい
当日、夕食会場で「地鶏」の品種名を問い合わせたが、聞かれたホテル従業員は「?」という反応だった。残念。

朝食ビュッフェ

夕食同様、小鉢充実。
特筆すべき食材は特になし

部屋に灰皿

最後にとても残念なことを記録しておきたい。
当時も現在もホテル室内は禁煙であることが基本で、ツアー会社も「禁煙指定は受け付けません」とする大手企業もある。
ところが、なんと部屋に灰皿が置いてあった
どうしても室内で喫煙したいという客に配慮しているのか、もしくは間違ってタバコに火をつけてしまった後始末用なのかは不明だが、この宿泊施設にはガッカリした。
一応、“ランクアップ”ということでツアー料金に加算して選択したホテルだっただけに非常に残念。
この事があってから団体ツアーの参加を見送っています

湯峡の響き優彩
熊本県阿蘇郡南小国町満願寺北黒川6554-1
℡050-3613-3567


知りたかった情報について

(施設へ問い合わせしたところ、「3営業日以内に返信します」という自動返信メールのみ届いた。)

お世話になります。

 私、愛知県在住の●●と申します。

 【中略】

 問い合わせしたいことは温泉法18条及び環境省推奨表示項目についてです。
宿泊時の温泉についての浴場外の掲示を確認したところ、以下の項目(「★記載なし」の部分)について確認ができませんでしたのでご教示いただければ幸いです。
また、環境省から推奨されている「事業者の自主的な情報提供として意義があると考えられる事項」についても開示できる部分だけで結構ですので教えていただければありがたいです。

●宿泊当日に確認した内容とご教示いただきたい項目について
(当時の分析書日付平成24年8月30日の一部)

1.源泉名  (★記載なし)
2.源泉湧出地(記載あり)
 熊本県阿蘇郡南小国町満願寺北黒川6554
3.泉質 ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉(記載あり)
4.湧出量(★記載なし)
5.成分 (記載あり)
6.浴槽別の運用について
 (御施設ホームページには源泉掛け流しと紹介されていますが宿泊時は運用表示が見つけられませんでした)

質問1. 源泉名と湧出量を教えてくださいませ。

質問2.浴槽別の運用方法を教えてくださいませ。

◇竹林の湯,双檜の湯,渓流の湯,湯滝の湯,樹彩の湯,杉の湯,なごみの湯について。

・源泉名
・加水または加温の有無
・循環、放流、循環放流併用の種類
・温泉の消毒
・(できれば)新湯投入量と浴槽のターンオーバー時間(アバウトで結構です)
・源泉から浴槽までは直結でしょうか?それとも貯油湯経由でしょうか?
・浴槽の清掃とお湯の入替は毎日でしょうか?

黒川温泉散策

 九州では湯布院と並んで人気の温泉地。理由は温泉地の一体感的景観を楽しむことと、湯巡りでしょうか。
~ひとつひとつの旅館は「離れ部屋」。そして、旅館をつなぐ小径は「渡り廊下」。温泉街全体の風景が、まるで一つの旅館のように自然へと溶け込みます。~(黒川温泉観光旅館協同組合HPより)

確かに湯布院(由布院温泉)よりは楽しい散策ができた。

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地蔵湯と穴湯に入浴、そして顔湯も楽しむ。

是非とも入浴したいと思った新明館の洞窟風呂は宿泊した時までとっておくことに。

黒川温泉 共同浴場 穴湯

顔湯

地蔵湯

新明館

田の原川南岸

夢龍胆

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この記事を書いた人

食彩品館がゆく」は食彩品館とTMGP合同記事。
商業施設と観光。時々神社仏閣。日本温泉科学会員、日本温泉地域学会員、温泉観光士,温泉名人検定合格,温泉ソムリエ,温泉分析書マスター。研究テーマは「全国各地の温泉分析書を現地現物確認し、源泉データを温泉地別に比較。温泉地環境と温泉資源の運用方法」
ラーメンソムリエ。

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