【2024年最新ニュース追記「氷河候補の雪渓3ケ所」論文提出と提出予定】日本の氷河は2019年認定の「唐松沢氷河」を入れて合計7ケ所。御前沢氷河,内蔵助氷河,三ノ窓氷河,小窓氷河,池ノ谷氷河,カクネ里氷河。そして候補は不帰沢雪渓,杓子沢雪渓,白馬沢雪渓。ヘルシンキからの帰りに空から氷河確認。(おまけでヨーロッパの氷河画像)

 ヨーロッパで氷河を沢山確認してからすっかり氷河のファンに。

シャモニー周辺の氷河」記事

帰りの飛行機でも日本の氷河や氷河候補を確認したいということで、座席から撮影。
フィンエアのビジネスシートは座っていると隣席の顔が見えないように席が配置されているため気兼ねなく撮影することができる。

シベリア上空から日本海に出て、そして新潟からフォッサマグナの上空を通って中部国際航空へ向かうルートであることは事前にわかっている。
あとはシートの位置。ビジネスシートは横に4席配置されているため、進行方向右端ならば後立山連峰~剣・立山方面が撮影できる。

 結論から言うと、無事に右端の席に着席。
後で知ったが、今回のツアーは7組14名が参加していて、往復で中央席と窓際席を交代するようになっていたらしく、我々は中央席の予定だった。
それが、チェックインカウンターに最初に並んでいたところ、往路の中部国際空港→ヘルシンキ便で窓際席が空いていたようで、カウンターレディの配慮で変更してくれたらしい。
おかげで往路にシベリアのツンドラ地帯を撮影することができました。復路のシベリア上空は雲の中だったのに。

心配していたが、日本上空に入ると雲も少なく、絶好の撮影日和。
ただし、鹿島槍を過ぎたあたりで雲に突入し、一瞬真っ白。すぐに晴れたが、その時は槍ヶ岳上空でした。
レンズは2本でSONY F2.8  35-70mmGMの大三元ズームレンズと F4通しのSONY 70-200mmGの小三元レンズをそれぞれソニーのミラーレス1眼カメラに装着し、2台で交互に撮影。(現在は広角はSONY35-70mmGMⅡに、望遠レンズはSONY70-200mmGMⅡに交換してます)

後で見るとズーム幅の大きい小三元のGレンズで撮影した方が綺麗に写っている

将来、エベレストの遊覧飛行を計画しているが、航空機で窓ガラス越しに遠くの景色を撮影する時はこっちのレンズをメインで使うことにしようっと。
(画像はこの記事の最後に紹介しています)

目次

氷河とは?

 その前にもう一度「氷河」のおさらい。

シャモニー周辺の氷河」記事で紹介した通り、氷河の定義は「重力によって長期間にわたり連続して流動する雪氷体」。
厚い雪氷体の存在と氷体の流動を確認が必要となります。

以下、同記事から抜粋転記すると、
~どうやって氷河の氷が生成されるのかというと、降雪した新雪が、さらに降り積もった雪の重みで圧雪され一定の密度になると「フィルン(firn)」となり、これが越年雪渓(すなわち万年雪)として年中溶けない氷となります。

 数値的には新雪の密度は約0.05~0.15g/㎤で、さらに上からの降雪の重みで圧せられ、結晶間の空気が抜け出て密度が0.5g/㎤以上になると「フィルン(firn)」。

この「フィルン(firn)」がさらに圧されて密度が約0.83g/㎤を超えると「氷河氷(ひょうがごおり)」となり、氷の結晶の塑性変形と氷河の底面滑りによって流動します。

 日本では長く氷河はないと思われてきたが、1999年に立山の御前沢雪渓、剱岳の三ノ窓雪渓と小窓雪渓が発見され、2012年に学術的にそれが氷河と認められました。
2013年には剱岳西面の池ノ谷右俣雪渓が発見され、立山の氷河とともにそれまでの氷河の南限であったとされていたカムチャッカ半島から大きく南限緯線が移動。

 さらに唐松沢雪渓の調査結果について2019年10月には日本雪氷学会「雪氷」で論文が紹介され、唐松沢氷河が認定されました。

研究者のご努力には本当に感謝申し上げます。

31年前の新婚旅行でヨーロッパのスキー場を選択したのは「氷河でスキー」も理由のひとつ。さすがに日本の氷河では気軽にスキーはできないが、見ることができるのはありがたい。

  万年雪が多く残る場所が氷河かというと、そうでもないらしく、例えば、日本三大雪渓である剱岳大雪渓、針ノ木大雪渓、白馬大雪渓は上部集水域面積が広く、大量の流水が雪渓の底に流れ込みことによって雪渓底から溶けてしまうため氷河とはならないとか。
残る可能性としては「不帰沢雪渓」,「杓子沢雪渓」,「白馬沢雪渓」が候補となっているようです。
※後述するが、上記3雪渓は氷河候補として論文提出(2024年時点)されています。

理由としては、氷河の底を溶かしてしまう上部集水域面積が氷河に認定された「カクネ里氷河」よりも狭く、雪渓面積が他の氷河と同等ということらしい。

 なるほど。ということで、以下の7ケ所が2019年12月時点で学術的に認定。そして白馬周辺の雪渓3ケ所が氷河候補として論文提出、または論文執筆。

日本の氷河(2024年時点)

氷河とは「陸上で重力によって常に流動している多年性の雪氷体(雪と氷の大きな塊)」
以下、計測データは確認時数値と立山カルデラ砂防博物館(2020年2月4日版)数値、日本雪氷学会氷河情報センターより
番号(①~⑦)・記号(A-C)は空撮地図と連動

(数値は調査団資料、新聞、学術誌その他より。数値が異なる場合は調査団資料を採用。素人調べの数値なので転載厳禁&間違い指摘不要)

①御前沢氷河 – 立山(富山県)2012年確認(Gozenzawa-Glacier)
・長さ700m,厚27m,幅200m
・長さ700m,幅200m,面積10ha,標高2500~2800m(2020年)

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この記事を書いた人

食彩品館がゆく」は食彩品館とTMGP合同記事。
商業施設と観光。時々神社仏閣。日本温泉科学会員、日本温泉地域学会員、温泉観光士,温泉名人検定合格,温泉ソムリエ,温泉分析書マスター。研究テーマは「全国各地の温泉分析書を現地現物確認し、源泉データを温泉地別に比較。温泉地環境と温泉資源の運用方法」
ラーメンソムリエ。

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